不況とコンビニ経営

2009年の2月にこのコラムを書いていますが、昨年から日本を襲ったアメリカ発の経済危機は、新たな負け組企業と新たな勝ち組企業を作り出しているわけですが、まあはっきり書いてしまいますと、勝ち組と負け組が固定しない社会の方が断然面白いですし、頻繁に入れ替えが有る社会であれば例え事業に失敗して無一文になってしまっても、また再起の芽があるって事で生きる希望が湧いてくるって事ですよね。

で今回のコラムですが、不況の中セブンイレブンやローソンなどのコンビニエンス業界は結構な健闘をしているとの事でして、その要因としては幾つかあるようですが、そんな事について書いて見ようと思います。

さて巷で言われて居るコンビニエンスストアの健闘ですが、一昨年に一部のチェーン店で積極的な不採算店の閉鎖などの施策の成功による健闘よりも、どうも外的な要因で売り上げを押し上げているような気がするので有りまして、個人的にはこのまま不況が長引きますと、コンビニ業界においてもマイナス成長になってしまうのでは無いかなって思いますね。

例えば巣ごもり景気によってコンビニの利用が増えたって指摘が一部にありますが、たぶんこのまま不況が続きますと、コンビニ弁当から自炊ブームが起きるのではないかと思っているのですが、そうしますとコンビニの販売品目的には不利になってきますよね。

それとタスポ導入による、来店者の増加ってのが言われて居ますがこれも一時的には売り上げを押し上げる効果が有ったと思いますが、どうも世界的な流れは禁煙に進んでいるようなのでありまして、多分あと四年もすれば喫煙者は現在の半分程度になって激減状態になると思いますから、コンビニエンスストアにタバコを買いに入ってくる人はタスポ導入前よりも少なくなるのではないでしょうかね?

他にも、おせち料理とかの季節の行事向けのお弁当や料理の予約販売が好調だったってのもコンビニエンスストア好調の理由を言われて居ますが、この辺りもスーパーマーケットの逆襲がどうなるでしょうかね?

個人的には限られた店舗面積で、人件費や光熱費のコストなどを考えますと、今後コンビニエンス業界は安定期に入れこそすれ、大きな成長が見込めない成熟産業の域に入ってきたような気がするので有りまして、今回の不況下でのコンビニの躍進は、たまたまラッキー程度に考えておいたほうが良いと思うので有りますね。

つまり今から、独立開業を考えて居る人は慎重に考えましょうねって事です。