不動産不況

不動産と証券市場はとても景気の影響を受けやすいのでありまして、政府は不景気になると直ぐに住宅取得減税などを始めたがりますが、現在のような大型不動産不況時に冷たい書き方ですが、一旦体力のない工務店やハウスメーカー並びに、耐久性に問題が有るとか手抜き工事を直ぐいするとか、欠陥住宅を造るような業者や建築士を一旦淘汰してから健全な市場を形成しませんと、いつまで経っても築後20年も立たないうちに資産価値が認められないような住宅や、酷い時には欠陥住宅が建築されてしまうので有りまして、なんと言いますか製造業との違いが大きいような気がするのですよね。

過去に日本が乗り越えてきた不況において製造業に関しては不動産業界のような政府の支援は行われた記憶は有りませんし、技術力や信用力のない企業はどんどん市場から退場、つまり倒産致しましたが生き残った企業はしっかりした技術力やノウハウで非常に足腰が強い企業が沢山生まれているのでありまして、海外企業を相手に互角以上のタタカイをしている企業も非常に多いのでありまして、不況が企業を強くしたって感じでしょうね?

さて今度は不動産業界ですが過去の不況において直ぐに住宅取得の促進ってのが政府から出てくるものですから、本来はとっくに淘汰されるべき企業が多く生き残って営業してしまっていると思うのでして、ヒューザーですとか姉歯一級建築士が巻き起こした耐震強度偽装事件などは、最たる例だと思いますが適当な審査や国の管理で兎に角景気回復に向けて住宅を建てるって事を国策にしているから、こーゆー企業が何時までも出てくるのだと思いますね。

まあ別の視点から考えますと、企業が倒産するって事は当事者にとってとても大変な人生を変えてしまう出来事だと思いますし、そうならないほうが良いと思うのですが、どうも私自身40年以上生きてきまして、製造業はもの凄く技術が進みまして価格のほうも下がっているって場合が多いと思うのですが、不動産業界に目を向けますと住宅の販売価格や建築価格は全然下がって居ないばかりか、上昇している場合も少なく無いですし、未だに全国的に雨漏りがするとか、地盤調査が不十分で傾いてしまう家屋など欠陥住宅が出てくるのは、不況時の政府対策の問題も有るのでは無いかなって思うのですよ。

現在の日本にはもの凄く大きな不動産不況がやってきていますが、そろそろ考え方を変更致しまして強い不動産業界と資産価値が認められる住宅の建築が可能な方向に舵を切って欲しいと思うので有りますね。