便所虫とは?

私の幼少時はトイレと言えば何処に行ってもくみ取り式でしたし、少なくない家では母屋から離れた場所にトイレだけが独立して存在して居たと思いますが、当時に良く耳にした便所虫って虫は一体何だったんでしょうかね?

今食事をしながらこのコラムを読んでいる人ですとか、今から1時間以内に食事の予定がある人は読まないでさっさと他のサイトに移動して頂きたいのですが、当時のくみ取り式のトイレは夏場にもなりますと目が痛くなるような強烈な刺激臭と空中には蝿や蚊が飛び回り、周辺の地面にはムカデやゲジゲジに訳の分からない虫が動き回っていまして、それを補食する為に蜘蛛が巣を張ったりカマキリが出たり、トイレの周りに一種の生態系を作っていたような気が致しますが、どうやら便所虫とは呼び名が分からない、トイレの周りにたむろする虫たちを総括して便所虫って呼んだようですね?

※一応、このコラムを書く前に便所虫が学術的に分類されたり名称が登録されていないのか調べてみましたが、正式に便所虫って虫はいないようでしてこの辺りが便所コオロギのようにカマドウマ(竈馬)の俗称って感じで特定の虫を指すわけでは無いようですね。

当時は芳香剤なんて気の利いたものなど無く、くみ取り式の便所と言えば蝿取り紙がぶら下がっているのが普通で、結構大量に蝿を始めとする虫が粘着されてもがいていたりしましたが、それとは関係なく得体の知れない虫が飛び回っていましたから今にして思えば、無意味だったかも知れないですね?

さて話を便所虫の話に戻しますが、便所の周りにたむろする得体や名前の分からない虫をさして便所虫って表現は非常に分かり易い表現でありまして、意味として通じるのでありまして、呼び名を知らない草をさして雑草って言えば、例えば空き地全体に生えている草を総称して表現出来るようなもので便利なのですが、最近はトイレの周りに虫も少なくなった所も有るのですが、有る場所に生息する虫を総称して呼べる名称ってのが無くなってしまいましたね?

追伸
清潔志向で虫なんか見たら直ぐに殺虫剤で駆除しちゃいますし、キャンプ場に虫が居ただけでクレームになってしまうような国民になってしまいまして、昔のようにトイレの周りには便所虫が這い回っていた頃だったら、世界中の大概の所に出かけても日本人は大丈夫だったと思うのですが、昨今の日本人の多くは水洗便所で虫がトイレに居ないところにしか出かける事が出来ないのでは無いでしょうかね?