自動車不況の原因
2009年にかけて世界中に大不況が猛威をふるっていますが、とりわけ自動車産業はとても裾野が広く、従業員や下請けを含めるととても多くの人がそれによって生計を立てておりますので、自動車不況のニュースはマスコミで大きく取り上げられますし、マスコミでの取り上げが更に事態を悪い方向に増幅させているような感じですね。
さて今回の自動車不況の原因について私なりに考えた事を書こうと思うのですが、まず素直な感想としてトヨタ銀行とか世界一の製造業と言われて居た割に、実像は脆い事が露見致しましたし、所詮は営利目的の民間企業ですからモラルを求めるのが酷ってもので、儲っている時には逆境時に備えるとの名目で内部留保の拡充に努めて、少しでも逆風が吹けばさっさと人員を切り捨てるって姿勢は営利企業として利潤追求が第一目標ですので、当たり前と言いますか人情とかモラルを求めるほうが間違っていたって事でしょうね。
※一般庶民が企業の姿勢に対して抗議の声を上げるのでしたら、一番効果的な方法はとにかく買わないって事位しか無いでしょうね、なにせ今回の派遣切りで環境貢献とかそーゆー取り組みも単に販売促進の為にやっているポーズですか過ぎないって分かってしまいましたからね。
しかしまあ、日本の自動車産業が輸出に頼り切っていたって事がはっきり致しましたし、日本国内の販売に関してもこれだけ、非正規雇用ですとか派遣社員ですとか、雇用が安定しなくて収入も低い労働者が大量に存在して居るのでは、自動車が売れるわけが無いのですね。
つまり、長い間かけて行ってきたコスト削減には人件費の削減が含まれておりまして、それによって顧客(購買層)をどんどん減らしてきた結果であって、輸出の増加でカバーしていた物が、一気に崩壊したって感じでしょうね。
一応、表向きはちゃんと人並み以上に昇給して賞与を払っているエクセレントカンパニーを演じてきて居ましたので、世間は全然気が付かなかったのですが、その裏では派遣社員、外国人労働者、期間工などへの労働力のシフトを進めていて、着実に人件費の削減をしていたわけですからね。
とまあこんな事以外にも自動車不況の原因は有って、それらが複合的に作用して居るとは思いますが、根本的には人件費の流動化やコスト削減の結果として、車が購入できない労働者を自ら大量生産してしまった結果なのでありまして、メーカーが考え方を変えない限り、自動車不況から脱出する事は至難の業なのではないでしょうか?