企業救済とモラルハザード

不良債権が膨れ上がってしまって政府が公的資金を注入した事は記憶に新しいと思いますが、中小企業や零細企業、ましてやSOHOや個人事業主が経営不振に陥ったとしても、救済も債権放棄も有る筈もなく、ひたすら社長の個人資産をつぎ込んで、ぎりぎりまで借り入れを行って最後には、自己破産に至るって事例は枚挙にいとまがないと思いますが、どうも腑に落ちない、釈然としない方が非情に多いのでは無いでしょうか?

確かに銀行には公的な側面が有る事は認めますが、平たく言えば金貸し業でしかないわけで、単なる営利企業でありまして平常時には高給を貪っていて、いざ経営が厳しくなると国が救済するのであれば、どうしても考え方は甘くなりますし、横暴で横柄な性格が培われてしまうのではないでしょうか?

※注入された公的資金は返済の義務があるってしたり顔で話すアホな評論家も随分と居るようですが、多くの企業では本業の経営が苦しくなって利息を払っても借り入れが出来ない場合が多いのですよね?

でね、今の日本は食品偽装に始まってありたらゆる経済活動で、儲け優先主義がまかり通っておりまして、日本の場合では発覚しても個人資産にまで追及の手が伸びる事は滅多に有りませんので、まさにやった者勝ちの世界になってしまっているのではないでしょうか?

私が思うには日本中に蔓延するモラルハザードは、どうも国の政策の進め方であるとか、運用から問題があって国の隅々まで浸透してしまった感じがありますよね?

そん中でどーやって零細企業や中小企業が営業していくかって話になりますと、モラルハザードの尻馬に乗っても失敗するのが落ちですから、規模の小ささを武器に素早い動きと立ち回りで勝負していくしか無いでしょうね?

追伸
モラルハザードの蔓延とやった者勝ちの世界が広がったのは小泉改革を推進した小泉政権時代だと言った声もありますが、そもそも経済的な背信行為や商道徳に反する行為に対しての罰則規定があまりにも整備されていないのが原因でしょうね?

私の考えでは未然の防止を行う為のチェック体勢を強化しても、官僚を太らせるだけで大した効果も期待できない訳ですから、罰則規定の強化と通報体勢の整備に人員と予算を振り分けるべきだと思いますね。

ただまあ、今の日本で一番問題なのは政治家のモラルの欠如と官僚の腐敗が一番大きいのでありまして残念ながらチェック体勢も是正する力も非情に貧弱で困ってしまうのであります。