販売促進策と世間の空気

いろんな会社で売上を少しでも伸ばそうとキャンペーンを始めてみたり新製品を投入したり、場合によっては値下げを断行したりと様々な事をやって売上確保に頑張っているわけですけど、この様々な販売促進策が成功するかどうかは、その方法や内容によるところが大きいのですけど世間の空気ってのにも左右されますよね。

日本経済は絶好調であらゆるものが値段を上げていっていて併せて労働者の給料もどんどん上がっているような好景気の局面では、少々腐ったアイデアでも簡単に成功しちゃうようなところがありますし、逆に世間が節約ムード一色で先行きにみんなが不安を感じているような時代には、なかなか良い販売促進策でも上手くいかないものです。

ところがですね売上低迷に苦しんで切羽詰まった時は基本的に景気が悪くて世間の空気がどんよりしている時なのでありまして、本当はなにもしないで世間の空気が変わるのを待っていたほうが経費・資金の流出が少なくて会社の存続には良い場合もあるのですけど、会社としては売上が低迷しているんですから、何らかの手を打たざるをえないと言いますか、販売促進や営業戦略を立案する営業本部としてはなにもしないわけにはいかないのでありますから、昔成功した販売促進策に多少手を加えて出してきたりするわけですけど、世間の空気というか市場の状況がすっかり変わっている時に逆効果の場合も多いわけであります。

例えば下取りキャンペーンってのが有りますよね、これは自社商品を既に使っているユーザーに対して行う場合よりも、他社製品を使っているユーザーに対して下取りキャンペーンをやってほうが売上確保と同時に他社のシェアを奪えるキャンペーンですので、結構いろんな業界で使われている手法なんですけどけっこうこのキャンペーンも時期を選ぶんですよね。

簡単に書くと需要が伸びる時期に行えば下取り費用で下落する粗利益を販売数量でカバーできるのですけど、需要が落ち込んでいる時期にこれをやりますと結構高い確率で利益率を落としてしかも業界全体の値崩れを誘発してしまって、それが回復しないなんて事になってしまう事が少なくありません。

まぁどこの会社でも昔大成功して売上の増大に貢献したキャンペーンや販売促進策を引っ張り出してきてリバイバルヒットを狙うなんて事は普通にやっている事なんですけど、昔上手く行ったから今度も必ず成功するってほど商売は甘くないんですね。

それでもそう簡単に良いアイデアなんて出てきませんから、昔の名前で出ていますは仕方がない話なのでは有りますけどね。