コンビニのスケールパワー
年の瀬が迫ってきましてコンビニ各店の店頭ではおせち料理の予約ですとか年賀状印刷のPOPが目立つように貼りだされているわけですけど、聞くところによりますとコンビニ業界の雄セブン-イレブン・ジャパンは昨年度のおせち料の販売件数は日本一になっただとか、ドリップコーヒーの一日の販売数量がマクドナルドを抜いただとか、スケールパワーをいかんなく発揮しているようですね。
そういえばどんな町にでも1軒はあった小さなタバコ屋さんはすっかりコンビニに駆逐される形で町から姿を消してしまいましたよね。
まぁ時代の流れみたいなものなんでしょうけど、家業としてやっていた零細事業者の方にとっては圧倒的なパワーに押しつぶされたみたいな感じなのでしょうか?
少し昔の話になりますけどジャスコみたいな大型店舗が地方都市に出店すると街の商店街が廃れてシャッター通り商店街になってしまって地域のコミュニティを消滅させるみたいな話がありましたけど、最近のコンビニエンスストア業界の躍進を考えると、同様な事が発生しないのかな?なんて思ってしまいます。
例えば年賀状ですけどチラシを見る限り相当な早期割引制度を実施する事と店舗数の圧倒的な多さと手軽さで結構な顧客獲得に成功しているようで、一度年賀状印刷を利用したお客には翌年から申込用紙を郵送するなどの顧客の囲い込みをしっかりやっていまして、法人客の獲得方面にも一部の店舗で頑張っているようですけど、個人客の獲得はともかく法人需要を町の印刷業者からコンビニが奪い取っていくような事になれば、小さな印刷業者なんかは、結構な売り上げ低下のダメージを受けてしまうのでは無いでしょうか?
他にも駄菓子屋さんに取って代わる存在なのがやはりコンビニですし、出前需要ってのもこれからこの分野にもコンビニが乗り出して来ちゃうかもしれないですよね。
そうなると出前需要が売上の半分以上を占めているような町の飲食業なんかも徐々に影響が出てくるでしょうし、数はパワーで気がついたら他の業種を凌駕するような動きはこれからも続くとしたら、ちょっと地域経済をやっぱり衰退させちゃうようでちょっと嫌ですよね。
昔はね、新たに何か商売を始める場合に分をわきまえるみたいな、やたらめったら多方面に手を出して業界を引っ掻き回さないみたいな商人の心得が有ったと思うのですけど、これも今ではすっかり無くなってしまったのでしょうね。