営業マンは食わねど高楊枝
経営者は言うに及ばない話ですけどお客に直接接触する営業マンは武士は食わねど高楊枝の如く振る舞う必要が有りますよね?
具体的に言いますとどんなに売上が上がらないダメ営業マンであっても客先に訪問している最中は、そんな素振りを見せてはいけないのでありまして、そりゃ商談相手だって社内でお荷物になっているような社員から物は買いたくありませんからね。
更にもっと切実な状況でしたら、今月も赤字になるようなら会社は倒産しちゃうなんて相当危機的な経営状況での背水の陣みたいな営業活動でもね、やっぱりそれをお客に感じさせては売れるものも売れないので有りまして、表面上だけは売上はちゃんと上がっていて会社は安定的に経営をしていますよって見せることが大切ですよね。
つまり営業マンがお客(商談相手)を見ている以上にお客だって営業マンを観察しているのでありまして、特に高額商品ですとか固有の開発製品なんてものを購入する場合は、製品の良し悪し以上に、開発発売している企業の状況を気にしますからね。
そういえば私がサラリーマンだった頃にとあるシステムの開発をしているベンチャー企業の経営者の方が、なにかのツテを頼りにコンタクトを取ってきまして、営業マンを集めて製品の説明会をやらせてくれと来まして、製品の説明会を社内で行なった事がありました。
当日はそのベンチャー企業の経営者の方と営業担当者がやってきてプレゼンテーションをしたのですけど、どうも来ている背広が着たきり雀なんだか知りませんけど、裾のあたりが擦り切れている状態だったりどう見てもわびしい状況だったんですよね。
私はというか勉強会に参加していた他の同僚営業マンも同じ気持だったと思いますけど、どうも説明しているシステムの事よりも擦り切れている背広のほうが気になってしまいましたし、結局は説明会をやっただけで誰もその後になにかコンタクトを取ったりしませんでしたから、やっぱり身なりから経営の状況を感じ取りまして、取引を敬遠したんだと思います。
システムの内容はよく覚えていないんですけど、もしその時やってきた経営者の方が隙のない身なりで勉強会に出てきたら、もしかしたらみんなシステム内容の説明を集中して聞いてくれて、その後の取引開始に道が開けたかもしれないんですから、とても勿体ないことをしたと思います。
基本的に営業マンと売り込む商品はセットで考えられて、その為には心得として営業マンは食わねど高楊枝が必要だと思います。