直火の力とオール電化
今回のコラムは別にオール電化住宅のデメリットを語るつもりもないのですけど、やっぱり直火の力は素晴らしいって事について書いてみようと思います。
実は数ヶ月前に親族が都内の賃貸アパートへ引っ越したのですけど、何でもオール電化住宅なのだそうで火事を出さないように直火は禁止で、ガスストーブも石油ファンヒーターもカセットコンロも使用禁止で、全て電気でまかなわれるエアコンとIHクッキングヒーターを使う以外ないそうなので有ります。
何と言いますかいまの若い人は平気なのかもしれないですけど、やっぱり人は直火を見てぬくもりを感じてホッとするのは同じだと思いますし、これはたぶん大昔の原始時代の我々の祖先が火を使うようになって、ケモノたちから身を守ったり体を温めたりしていた時代から、本能的に炎を見て安らぐ気持ちが芽生えていると思いませんか?
まぁ今の世の中省エネですし直火はどうしても火事の心配が有りますし、原油もいずれ枯渇するのは間違いないでしょうから太陽光発電が家庭の電力供給のかなりの部分を賄うようになって、オール電化住宅はやがて過半数を超えるのだとは思いますが、う~ん直火を見ての心の安らぎを感じられる環境にない人が増えるのもどうかなって思ってしまうのですよね。
例えば冬の寒い日に外から帰ってきた時の鍋料理を考えてみましょうか?
オール電化住宅でしたら当然の事ながら卓上のIHクッキングヒーターで土鍋もどきの金属製の鍋を使って調理するわけですけど、やっぱり土鍋を直火にかけて調理するあの雰囲気には味は同じでも絶対に勝てないのではないかと思うのですよね。
他にも私は昔ながらの石油ストーブのファンで有りまして冬場はエアコンが有っても一切使わないので有りまして、少々部屋の隅まで温まらなくてもやっぱりあの赤い炎を見ると心がやすらぐのでありまして、何だか今から30年後とか私の寿命が尽きる前の日本の家庭がオール電化一色になっているなんて事を想像致しますと、何だか味気ない未来のような気が致しまして寂しく感じてしまいますね。
たぶんオール電化住宅がすっかり普及致しましたら、私のように直火を見ないと寂しいって感じる人が沢山出てくるかと思いますので、赤いLED電球でも使った直火もどきの暖房器具でも発売されるのでしょうかね?
追伸
太陽光、つまりお日様の光は直火よりももっと人の心に安らぎを与えるのでありますが、それが電気に変換されて家の中に入ってきますと俄然味気ないものになってしまうのですよね。