官製不況と勤労意欲
倒産件数は前年度件数を上回り、労働者の収入は下降して追い討ちをかけるように物価は上昇して、多重債務者、住宅ローンの支払い破綻などが急増している日本の中で、大分の教員試験不正や税金の無駄使いなどが次々と発覚していますが、これでは真面目に働いて税金を納めようって気持ちが低下してしまうので有りまして、現在の日本を覆う不況の厚い雲は官製不況が多くの原因を占めているのでは無いでしょうか?
日本人は元来、勤労意欲の高い国民性を持っていますが、これは努力が報われるって前提に立っての背景が有るのでして、大分県の教員採用試験や昇格に関する不正を見ていますと、真面目に勉強に取り組んだ人が、他の受験者によって点数を下げられてしまったりしていますので、もう真面目に取り組む気持ちも失せてしまうのでは無いでしょうか?
企業経営におきましても、リコール隠し、賞味期限の偽装や建築確認申請の杜撰な運営などが次々と明るみに出ていますが、真面目に仕事に取り組んでいても利益が上がらない状態になってしまいまして、何らかの不正によるコスト削減で利益を上げなければ、赤字になってしまうって事になりましたら、会社が潰れて路頭に迷うよりも、不正に目を瞑ってしまって、利益を確保してしまおうって気持になってしまうのでは無いでしょうか?
本来は国の運営に携わる公務員が襟を正して国民の手本になっている必要があるのですが、逆に公務員が率先して不正な運営をしている訳ですから、民間企業もそれに倣えですし、労働者だって勤労意欲が低下して、とにかく楽して稼げる事に考えが向かってしまうので有りますね。
私が思うに日本の高い教育水準や勤労意欲、高度な技術を持ってすれば、日本の不況など3年で完全に克服できると思うのですが、資本を持っている物はマネーゲームや投機に走り、蓄財に精を出し、公務員は仕事をするよりも無駄使いに余念がない状態では、日本人の勤労意欲はますます低下する一方なので有りますね?
どうも、借金問題ですとか多重債務などのお金にまつわる話題でコラムを書いていますと、日本の政治や社会の風潮に目が行ってしまうので有りますが、これらの問題を生み出しているのは個人の問題以上に、国の現状に問題の根本が有る様な気がしてならないので有ります。
勿論、個人再生とか自己破産や特定調停などをはじめとする、個人の救済措置は徐々に良くなっていますが、労働者の生活は益々苦しくなっているのが現状で、今後ジワジワと労働者の勤労意欲が低下してくれば、さらに社会不安が広がって取り返しの付かない状況まで日本は突入してしまうのは間違いないでしょう。
今の官製不況を変える事は官僚の頭の中の構造を変えないと解決は無理なのですが、これが出来るのは強い政治力しかない訳でして、国民が求める指導者の登場を求める今日この頃なのです。