香りや匂いによる販売促進

空腹時に鰻屋ですとか焼き鳥屋の前を通りかかりますと店内から吐き出される煙の香ばしい香りに思わず食べたくなって我慢するのが大変だったなんて方も多いと思いますが、今回のコラムでは何でも食品売り場の販売促進活動におきまして、人工的に各種匂いを作り出しまして購買欲を誘ういわば香りの販売促進みたいなものを取り上げてみようと思います。

さて匂いや香りは人の本能にとっても近い部分で行動を左右する要素ですが、これが自然に周囲に発散するものでも時として苦情の対象になったり致しますので、人によっては人工的に作り出した香りについては賛否両論が出てくるような気がしますね。

まぁ確かに鰻屋が店外に匂いを発散させるのは昔からの事で異論はあまりないと思いますが、例えばスーパーの店内で様々な食品がそれぞれ香りの販売促進を始めたらどんな事になるのでしょうかね?

例えばカレールーの売り場の横にシチューの素の売り場が有ったと致しまして、先ずはカレールー売り場の方が売上アップのために人工的なカレーの匂いを出した為に売り上げが伸びた代わりにシチューの方がその煽りで売り上げダウンしたので、対抗策として隣ではシチューの匂いを出すようにするなんて事になりましたら、店内は様々な香りが渾然一体となりまして、収拾がつかなくなるような気が致しますし、女性客の髪の毛に臭いが付くなんて事は無いのでしょうかね?

その辺りはスーパーの方でも臭いの公害にならないように十分注意するでしょうけど、匂いとか香りってのは直ぐに鼻が麻痺して慣れてしまいますので、店員さんとしては何も香りを感じないのでいつの間にか強力にしてしまうかもしれないですよね?

思うにスーパーなどの小売店のほうで香りや匂いによる販売促進が成功した事例になりますと、今度は飲食店関係でも例えば昼飯時になりますと往来する通行人に向かって、実際提供する料理はともかく空腹を刺激して、思わず食欲が湧いてきて店に飛び込みたくなるような香りを人工合成して発散するかもしれないですね?

何と言いますか日本人は世界でも特殊なほど匂いに対して敏感で、やたらと自分の匂いを気にしたり加齢臭だの老人臭だの言い出すような民族のわりに、販売促進の為に匂いを使うのは何だか変だなって気も致します。

そう言えば10何ほど前にパソコンに接続して画面に連動したしまして合成された匂いを出すような装置が開発されたニュースを見たことが有りますが、あれはどうなったのでしょうかね?