ライバル潰しと草刈り場

とても限られた市場の中で同様の商材や製品を扱うような会社が複数存在する場合におきまして、どこか一社の商品力が見劣りしてきたとか市場シェアを落としてきたなど販売力や商品力に翳りが出てきた時に一気に草刈り場と化して徹底的に顧客を奪われてしまう場合が有りますよね?

その昔私が会社員として営業の仕事に携わって来た時の経験ですが、とある市場に四つの会社が入り乱れて顧客争奪戦を演じているような市場で仕事をしてきたのですが、あるときその中の一社がどうも業績が思わしくないようで営業所の統廃合を進めまして、会社の立て直しを図った事が御座いました。

限られた市場の中でターゲットとする売り込み先は決まっていましたからどこの会社もどこにはどの会社から製品が導入されているのか把握していたものですから、残りの三社が一気に力の弱った会社の顧客に営業攻勢を激しくかけた結果、その会社は市場から退場することになってしまったのでありますが、現在のように情報伝達のスピードが早い時代でしたら営業力と同じくらい情報力とか日頃の市場の把握が大切になってきますよね?

でね確か何だかの法則、マーフィーの法則でしたっけ?販売市場を奪いあうような状況になったときには自分より強い相手との争いよりも、積極的に自分よりも販売力や商品力に劣る会社の顧客を奪っていく手法をとった方が販売出来るなんて法則が有ったと思いますが、確かにそんな事を言われなくても自然とそんな営業をするものなのですよね?

でね販売しやすい草刈り場を見つけて積極的に営業をかける場合は全く問題も無くせっせと顧客開拓に邁進すれば良いですし、ライバル企業を潰せばそれだけ市場でパイを奪い合うプレイヤーが減って売りやすくなるわけですけど、逆に考えれば自分たちの会社の顧客を他社に取られないように注意を払いませんと、あっという間に市場シェアを急激に落として市場から退場することになってしまいますよね?

例えば販売不振で会社存続のためにリストラを行う場合なんかですと、いかに素早く事を運んでダメージを最小限にするのかを考えて行動しなくてはいけませんし、商品開発や機能アップを常に行っておりませんと、ライバル企業の製品と比べまして見劣りがはっきりしてしまいますと、あっという間にライバル企業の営業マンが攻め込ん出来てしまいますからね?

そんなわけで営業マンに発破をかけて販売拡大とライバル潰しに奔走する以上に自分たちが劣勢に立たないように注意しませんと販売や営業の世界はそれはそれは厳しい世界なのです。

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