アベノミクス効果薄く、賃上げ「前向き」1割
まずこの悪意といいますか、なんとしてもアベノミクスの印象を貶めてやろうとする気満々のロイターの見出しなのでありますが、このコラムを書いている2013年2月21日の時点で安倍内閣発足してわずか2ヶ月の段階で、なんだか将来明るそうだから従業員の賃上げしちゃおっかなって企業が全体の10%にも上るって事は凄いことなんじゃないでしょうかね?
これは麻生副総理(財務大臣)も話していたことですが、実際のところ安倍内閣ではやろうとしていることを明確にしただけで、実際にはまだ補正予算も通っていませんし何もしていませんからね?(補正予算に関しては野党、特に民主党が変な形で足を引っ張らないことを特に望みます)
さてこの賃上げと企業業績と景気の関係について思い出した話がありますので、ところどころうろ覚えですけど書いておこうと思います。
昔々あるところに・・じゃなかったかのメリケン国つまりアメリカのフォード社(ご存知、ビッグスリーのひとつです)の経営者が従業員の賃金を倍増させると発表いたしました。
その時の巷の反応はといいますとご想像の通りに、非難轟々そんな事をしたら販売価格が上がって競争力が失われて会社が傾いてしまうって論調だったのですけど、フォードはそんな世間の声など一切耳を傾けず、発表したとおりに従業員の給料を一気に倍増させたそうです。
まぁ創業者だからできた事ですし、いままでどれだけ搾取して儲けてきたんだって突込みを入れたくなるような気もいたしますが、ともかく従業員の給料を倍増させた結果は、購買力の上がった従業員は自社の商品つまりフォード社の車を買うことになり、地域の景気もよくなってフォードの経営は急上昇したそうです。
こんな話を思い出したのでありますが、話をアベノミクスと賃上げの話に戻しましょう。
私が思うに最初に書いたとおりに、まだこの段階で賃上げしよっかな?といった前向きな企業が10%にも上るってのは凄い事だと思いますが、これから賃上げを考えてくる企業が増えるかどうかはTPPが肝になってくるんじゃないでしょうかね?
私はTPP反対派ですってまず断ってから書き進めますけど、TPP推進派がよくうそぶいているTPPに入ってアジアの成長を取り込むなんって聞いたこと無いですか?
あのねTPPに加盟予定のアジア各国の賃金状況を考えると、全部が全部おしなべて日本より格段に賃金は低いのでありますから、アジアの成長を取り込もうとしたら低賃金のアジア各国の低賃金企業を戦いまして、あっちの需要を奪わなくちゃいけないんですから、賃金の上昇なんて寝言は寝てから言いなさいアジアの成長を取り込むには更に労働分配率も下げて低賃金路線を進めますからねって事にならざるを得ないんですよ!!
ですから今後の労働市場の賃金の状況が上がるのか下がるのかって事の鍵を握るのは、TPPに日本が参加を表明するのかそれともキッパリとお断りするのかにかかってくるのではないかと思いますね。
なんとしてもTPPへの参加を阻止するために、国民は声を上げていかなくちゃって思うのでありますよ。