薄利多売は馬鹿の商売?
とある銀行員の方と雑談をしている時に倒産してしまった量販店の話になったのですけど、彼曰く薄利多売で急成長した企業は存在するけれど問題は長続きしないでどの企業も10年持たないのだそうです。
ここで少々補足説明をしておきますけど彼の指す薄利多売の商売ってのはオリジナルの商品を販売する以外の、つまりメーカーからとか海外から商品を仕入れて販売する際に、利益を十分に確保しないで単純に他の販売店よりも安く販売する事だけに販売戦略を絞っている商売の事です。
そういえば価格破壊なんて言葉を世間に知らしめて小売店(スーパーマーケット)業界の雄として君臨していたダイエーってのが勢力を誇っていましたけど、その凋落は目を覆うばかりで気が付いたらイオンとかイトーヨーカドーの遥か後方を蛇行している状態で、ついにイオングループに吸収されてしまいましたね。
他にも行徳でノーサービスの低価格販売路線で注目を集めたパソコン販売のステップなんてのも有りましたけど、いまや倒産してしまって存在してしまってますね。
思うに単に営業戦略が安売りですって状態はやっぱり他に更に安い販売店が現れたらおしまいって状態で営業を続けていますし、販売価格を低く抑えるためには当然ですけど人件費を出来るだけ低く抑えざるを得ませんので、人材が育たないなんて弊害もあるのでしょうかね?
勿論ねすでに先行参入している企業が多数あってあとから市場に入っていって他社からお客を奪うことが最初の営業戦略になってくる商売を始めたばかりの初期段階では薄利多売戦法も必要かつ有効な営業手法なのかもしれないですけどこれが2年3年5年10年と同じ感じで商売を続けるのはどうなんでしょうかね?
まぁ創業してから20年経過しても元気に営業を続けていればそれは素敵な事だと思いますけど、他人からこのお店の特色は何ですか?って質問されましてはい安売り一本やりでそれ以外には何の特色も御座いませんなんて答えはしたくないですし、消費者には好感を持たれるのかもしれませんけど、少なくとも融資を考える場合で銀行員の査定係は良い顔をしないでしょうね?
追伸
薄利多売はけなす内容でコラムを書きましたけど、その安く売っていて薄利多売商売をしているかに見せて実はしっかりと粗利益を確保していて実情は厚利多売をやっていてしっかりと儲けを確保しているのは、けっこう成功している企業が多くて消費者に安いって思わせる手法は営業戦略として有効ですし、そーゆー商売をしたいものですが、ここでこんな事を書いてしまえば我が社にお客がこなくなってしまいますね。