ヤマザキパンの美談と商売
先の大雪で立ち往生していたドライバーに積み荷のパンを無料で配ったヤマザキパンのドライバーの話が美談として広まりまして、現在ヤマザキパンでは注文が急増して一部の商品に供給が間に合わない事態が発生しているそうです。
立ち往生していたドライバーさんは空腹にならずに済みましたし、ヤマザキパンとしては無料で配ったパンの分の損失はその後の注文の急増で取り返せて企業のイメージアップにも繋がったわけですから、とっても良かったと思います。
私も素直に良い話だなって思いましたしやっぱり日本は良い国ですよね。
これがねドライバーさんがどっかの反日国家でしたらどうだったでしょうかね?
良くて積み荷のパンを定価の10倍で販売して不当な利益を得ていたでしょうし、場合によっては何もしなかったかもしれませんがまぁ反日国家と言っても親日的な人もいらしゃるようでっすので断言は出来ませんね。
さて話をその昔の終戦直後に戻してみましょう。
当時は極端な物不足、特に食料不足に直面していたわけですけど、聞くところによるとそんな物不足の状態で一財産を築いて今に至るって人や企業ってのは結構あるみたいですよね。
例えば米軍からの払い下げの物資を数十倍で転売していたとか、食料不足ですから何が入っているんだからわからないような鍋が高い値段で販売されていたり、多くの民衆が困っていたから無料で食料を配りましょうなんて人よりも、ここがチャンスとばかりに不当に高い利益を上げていた商売人が幅を利かせていた時代だったようですね。
その後は混乱期を過ぎてから日本は高度成長の時代に突入するわけですけど、いつに時代もね貧乏な人は蔑まれて金持ちですとか大きな会社の社長なんてのは尊敬される(中には軽蔑される人もいますけど)というか、社会的に上に見られる風潮があるんですけど、じゃぁ戦後の混乱期で一気に成り上がった商売人ってのはどう考えれば良いのでしょうか?
最初に取り上げたヤマザキパンのドライバーさんとくらべてしまうと、客観的に見れば食料不足や物不足に困っている状況に付け込んで、助けるどころか足元を見て蓄財に成功した人たちですよね。
しかしながら終戦後の混乱期に財を成した人に対する世間の目ってのは別に非難をするわけでもなく、むしろチャンスを掴んで成功を収めた偉い人なんて感じなのでありまして、なかなか今回のヤマザキパンの美談の内容と比べますといったい何が正しい商売人の取るべき道なのか分からなくなってしまうわけです。