長期展望の人材育成と時間軸

カリスマ的なワンマン社長が率いる新興企業が目覚ましい発展を遂げた後に創業社長の引退とともに迷走を始めるなんて事例は大企業もそうですが、中小零細企業なんてのは社長の動向が会社の寿命を決定するみたいな所がありますからね。

思うに会社規模が小さいと外部からの信用が低いとかいった原因はもちろん資金的な部分も大きいわけですけど、やっぱり個人的な才能や技能に頼ってしまっている面があるのと、企業規模が小さいゆえに社長なり経営者が頑張れば小さな所帯であれば何とかなってしまうから、人材育成が疎かになりがちってところじゃないでしょうかね?

まぁ一部には社長が遊んでばかりいて従業員が一生懸命働いて会社を支えているなんて現状の企業もあるようなんですけど、社長の遊びが会社を傾かせるような度が過ぎた状態ならともかく、社長が遊んでいても会社が回っていくって状態はちゃんと人材が育っているって事ですし、仮に社長が引退しても大丈夫な会社ってことが言えますよね。

でですね若い新しい会社などでは入社して半年で主任だとか三年で課長だの店長だのやたらと出世が早い企業が有りますよね。

実は私自身が急成長した企業で働いていまして確か入社して5年位で営業所長までやらせてもらって部下を10名とか抱えていたわけですけど、人材不足な状態とはいってもあまりに早いと就いている役職と中身の隔たりが大きいのでありまして、それじゃ人税育成的な観点から見ると逆効果なんですよね。

私の知っているとある会社では同じように出世も早いけれど実績が出ないと一年で降格させちゃうなんてのを徹底させている企業もあるわけですけど、実感として特定の役職の就いて中身と役職が一致するには立場にもよりますけどやっぱり2~3年はかかると思うんですよ。

まぁ多くの人が例えば課長になったら最初はぎこちなくて一年目はダメですけど、二三年も経過したら何故か殆どのひとが気がついたらちゃんと課長の顔と雰囲気になっているのでありまして、中には例外なだめ夫君もいますけど人材育成ってのは各種経験も踏まえまして時間軸の考え方も必要だと思います。

ですからいわゆる老舗と言われる企業が信用が高くて人材の層が厚いのは、やっぱり能力主義的な要素よりも年功序列を軸にした時間をかけた人材育成を長年続けてきている部分が大きいと思うんですよ。

ちょっと仕事が出来るからといって直ぐに取り上げて昇進させるってのも良いのかもしれませんけど、それって当たり外れが大きいと思いますしリスキーでやっぱり時間をかけて熟成した人材育成には勝てないと思うのです。