売り逃げ商法

売りっぱなしなんて言葉もそうですけど更に進んで売り逃げって言葉は商売の方法としてかなりネガティブなイメージが強いわけですけど、今回はそんな売り逃げ商法について考えてみたいと思います。

まず最初から売り逃げをするつもりが無かったかどうかは別に致しまして、一般に思われている売り逃げ商法を多用している企業は中小企業のようなイメージが強いのではないかと思われますが実際は違うのではないかと思います。

売り逃げ商法をやりましょうと言ってもこれはこれで簡単な商売の方法でも何でもなくて、ちゃんと奥義?じゃなかった成立させるための要件があると思うのです。

まず受注生産する製品の場合を除きますと売り逃げ商法を成立させるためには短期集中勝負が必須になってくるのでありますから、多くの営業マンを抱えて人海戦術で一気に営業攻勢をかけるとかテレビなどのマスメディアを使って短期集中広告宣伝をやったほうが、売り逃げ商法ってのは成功しやすくなるんですね。

でですねスーパーですとかコンビニエンスストアの売り場の棚を見ますと、年々その限定商品とか生産数限定なんて銘打った商品が増えているように感じますけど、これってある意味では堂々と行います売り逃げ商法じゃないかと思うのですよ。

つまり数量限定って事で一気に一定数を生産致しまして広告宣伝を集中的に行うとか、一気に既存の流通ルートに乗せて在庫一掃するべく捌いてしまえば不良在庫が発生するリスクはゼロですからね。

でまぁ数量限定でも売れ残ってもそれは小売店側の不良在庫になるわけですし、もし仮にですね何らかの拍子に売れ行き好調であっという間に市場在庫がゼロになるほどの販売実績が出たとしましたら、そりゃもう簡単な事でご好評につき追加生産致しましたなんて感じでも良いですし、やっぱりこれは市場の声に応えまして定番商品に格上げ致しましたなんて感じで対応すれば良いわけですよ。

ですから売り逃げ商法ってのは名も無き小さなメーカーや小売店がこっそりやるように思われているのかもしれませんけど、実際は堂々と大きなメーカーがその持っている販売力や営業力と潤沢な資金を背景としたメディア戦略を駆使出来るわけですから、大きなメーカーや販売店ほど売り逃げ商法がやりやすい背景が有るんですね。

それに広告宣伝にお金が使えなくて営業マンの数が少ないような販売力に劣るようなメーカーや販売店では、例え売り逃げ商法をやろうとしても簡単には出来ませんし、倒産のリスクが直ぐに表面化しちゃいますからね。

そんなわけで様々な販売手法が進化していますけど、売り逃げ商法もまた進化しているように感じるのです。