露天商の営業力とジョニー君の思い出

昔と比べて路上で怪しげかつ魅力的な商品を販売している露天商を見ることがすっかり無くなったような気がしませんか?

昔は駅の近くの繁華街の片隅ですとか通学路に忽然と現れるとか公園にいきなりやってきて、勝負事の必勝本ですとか店には絶対に売っていない玩具ですとかアクセサリーですとか色々なものを売っていて、購入して後になって冷静になるとアレレしまった!ってのがお約束になっていました。

露天商ですとか路上販売なんてのは吹っ掛ける価格交渉術とヒット・アンド・アウェイの売り逃げが基本なので有りまして、しまったと思ったらもうその場にはいないってのが王道だと思います。

彼ら露天商の方がどうやって商材を確保しているのか仕入れルートはさっぱりわからないのですけど、一般の商店では手に入れることができなくて原価率が低くて道行く人が思わず足を止めて中には買ってしまう人が出ちゃうような商材を次々と繰り出してくる、ある意味では目端の効いた商売人って感じだった面もあると思います。

それと世の中の流行にも敏感ですよね。

昔々地球ゴマ(宇宙ゴマ)と呼ばれたコマが大流行した時にはさっそうと市場で手に入らない品薄状態なはずの地球ゴマを大量に路上に並べて販売していましたしルービックキューブがヒットした時も同じように素早く対応していましたよね。

もちろん地球ゴマは作りが雑なので糸の上を綱渡りすることも出来なくて直ぐに止まったしまうってお約束通りの動きで、たぶん露天で販売している時に回して見せていた地球ゴマだけが本物だったんでしょうし、ルービックキューブだってスムーズに回らないのは当然として何度か遊んでいると何故かバラバラになってしまうという代物でありました。

まぁ今でも穴あき包丁の実演販売なんてのはその流れを組む感じなんでしょうけど、怪しさが不足していますよね。

何と言いますかその手の露天商の人もちゃんと社会に役だっているような所があって、子供の頃にさんざんその手のパチモノみたいな商品を買ってしまって後で後悔するような経験を子供のうちに積んでおけば自然と物を買う時の厳しい目みたいなものが育つようになっていたんですよね。

つまり大人になってから大きな買い物で失敗しないように予め子供の頃に打っておく予防接種みたいな側面もあると思っています。

ただそんな経験を随分と積んだはずの私も大人になってから紙で出来ていてピョンピョン跳ねる不思議なジョニーくんを二千円払って衝動買いしてしまって家に帰ってから思わず苦笑いって経験もしていますけどね。

※ジョニー君とは
紙で出来た高さ10センチほどの平面の人形で人の声に反応してぴょんぴょん飛び跳ねたりダウンの掛け声で道に倒れる不思議な人形です。