ヘイトスピーチと誹謗中傷と匿名性

個々最近になって急にヘイトスピーチなる言葉が出てきたと思ったら、それを問題にして他人を攻撃する材料にしちゃうような人や国まで出てきまして、なんだか混沌としているようですが、今回のコラムではそんなことも併せてネット上における誹謗中傷とその対策について考えてみたいと思います。

まずネット上における言論や意見の発信において特殊性があるのが、匿名性にあるのではないかと思います。

もちろん素性を明らかにしてから自らの主張を公開している人も多いのですけど、問題なのは匿名の発信者の存在です。

基本的にはどこの誰が言っているのか分からないような情報は信用されない事になりますけど、例えば食べログのような飲食店評価はそれなりに一般の人に影響力を与えていますし、ネットの情報は拡散力が非常に強いので、大元の発信者は匿名のどこの馬の骨とも分からないような人の情報でも、様々な人に拡散する過程でいつの間にか信頼度がアップする事も少なく無いですからね。

まぁ勘ぐれば場合によっては誹謗中傷を受けているように見せかけて実は自作自演とか、まるで朝日新聞が自分でサンゴ礁を傷つけておいて、ダイバーのマナーの低さを嘆くような記事を書くみたいな事も考えられますからね。

私の場合は誹謗中傷よりも文章の無断コピーによる著作権侵害の被害を数多く受けているのですけど、この匿名の影に隠れてやりたい放題みたいな連中には手を焼くんですよ。

誹謗中傷にしても著作権侵害にしてもまず発信者個人を特定する作業からしなくちゃいけないんですけど、手間はかかるし多少の費用はかかるし、なにより情報開示に関して各プロバイダーがかなり及び腰なのですんなり個人情報開示に応じる場合は非常に少なく、何度もやりとりをしてやっと情報開示をしてもらって相手を特定する事になるわけです。

たぶんネットでの情報発信に匿名性を無くして発信する本人又は企業は必ず発信者を明示するようにすれば、誹謗中傷もヘイト的な発言も著作権侵害も激減するのでは無いかと思うのですけど、何故かここに関しては全然改善する様子が感じられないのです。

まぁ最近の国政選挙なんてのはネットの力が非常に大きくなっていまして各政党も本格的に専任者を使ってネット対策に力を入れていますから、そこでネットの発信者の匿名性を完全に無くしてしまったら困ってしまう人もいらっしゃるのでは無いでしょうかね?