景気は回復しない前提での営業戦略
経済が成長している、つまり名目GDPが拡大中で世の中に出回るお金の量が絶賛拡大中の時には、営業社員を増やして拠点を増やして効果的な広告宣伝を物色してとまぁ他社に遅れを取らないようにしていけば良かった訳ですし、少々営業戦略で失敗して売上が落ち込んでも経済が拡大中であれば挽回のチャンスは出てくるものと相場が決まっていたわけですよ。
そんな理由でバブル経済が弾けるまではイケイケ体質の企業や経営者が躍進したりしたもので、逆に堅実な企業や石橋を叩いて渡らないような経営者は落ち込みはない迄も業界全体の平均的な成長よりも低い成長でなんて宜しくない状態が出現していたりしたわけですよね。
もちろんどんなに景気が落ち込んでいる時にでも必ずチャンスですとか大穴ってのは有りますけど、失敗を覚悟で背水の陣で一勝負致しまして一山当てる事も皆無とは言えませんけど、基本的には景気の後退または停滞している時には、やはり無理をしないでとにかく会社を存続させることを再優先目標にして、やがて景気が回復した時のチャンスを待つような心得も時には必要じゃないでしょうか?
実際にある程度の社歴を持っている人でしたら、過去の成功体験と云いますか基本的には拡大及び攻めの営業姿勢が正しい営業戦略で、逆に動かざること山の如しなんてのは、無能のレッテルを貼られてしまう時代を経験してきているんですから、何年も自分の所属している会社が成長しないで場合によっては縮小気味なんて時に、無駄な仕掛けを始めてしまってかえって業績を低下させてしまうなんて事も少なく無いと思います。
まぁ社員の給料を据え置きまして新規採用も控えて、広告宣伝も必要最低限の効果があるものしかしないのが理想なんですけど、社員の士気とか色々なしがらみがあって難しい場合も有ります。
とある企業の社長さんの話なんですけど、その会社では毎年一回必ず大手の新聞と地元の新聞に大きく広告を出していました。
その社長さんの自説では別に大手新聞に広告を出しても直接的な反響営業にはつながらないし、広告を出した直後から引き合いが増えるなんて事も感じられないんだけど、見ている人は見ている、だからこの毎年の広告は止めないんだとの、分かるような分からないような話でしたけど、景気が低迷していて大きな伸びは一切期待できない時に、何でもかんでもカットして良いのかどうかの判断は難しいところですよね。