難しいのは守りの営業です。

業界内でトップシェアを持つようになった企業は自分たちの仕様を業界標準にすることが出来ますし、市場での信用を得て基本的には第二位以下のメーカーよりも楽な営業展開が出来るのですけど、いざ守りに入ったら守りの営業は難しいななんて感じてしまう事も多いのではないかと思います。

そりゃ新規顧客開拓などの攻めの営業でしたら実績ゼロから始まって一軒開拓成功毎にそれがプラスとして積み上がってくるのでありますけど、逆に守りの営業ってのは1件も他社に顧客を取られないパーフェクトで鉄壁の守りに成功してプラスマイナスゼロ、1件でも顧客を他社に奪われてしまいますとその分だけマイナスになるわけですから、最高の結果が引き分けであとは負けのみ勝ちはなしなんですから、中々難しいのが守りの営業なわけです。

さてごく普通の営業活動をしている会社、商社ですとか卸売をやっている企業などではベテランの腕利き営業マンは新規顧客開拓を中心に活動を致しまして、既存客のお守りは新人営業マンから中堅の営業マンまでが受け持つなんてパターンが多いのではないかと思います。

そりゃ一切の取引実績がない相手に開拓営業をかけまして取引開始まで営業するのは一番難しいですし、一定以上の経験を積んだ営業社員のほうが成功率が高いわけですけど、既存客のまもりを任された営業マンは結構プレッシャーが掛かったり致しますし、何よりも取引先を失うって事が発生いたしましたら即、自分の評価につながってしまうのですから、どうしても強気の営業が出来なかったりしちゃうんですよね。

これはテリトリー変更ですとか初めて一部の地域を任されて顧客を管理するような状態になった時にも、今まで取引を順調に行っていた会社と担当者が変わった途端に折り合いが・・結構これは社内評価も下がりますし精神的に結構応えるんですよね。

特にね前任者の営業マンと顧客の親密度が高くてそれが担当者同士の個人的な親密度をもって順調な取引が成立していたなんて場合ほど、後任の営業マンは難しいお付き合いになる場合も多いですし、取引量が多ければ多いほどプレッシャーも高いわけですよ。

でですね会社の考え方なんですけど営業マンがテリトリーを持って営業活動を行う場合に同じ地域にあまり長く担当し過ぎると、お客との慣れ合いが発生するだとか、苦手な処へ足を運ばなくなるなどの理由から定期的に移動させるって事が結構多いのですけど、攻めの営業的にはプラスな部分も有りますけど、守りの観点で考えますとマイナス面も大きいのですよね。