産業の栄枯盛衰

昔々のその昔には、おごる平家は久しからずって例えがありますし、経済や産業は文字通り生き物なんですから、産業には新陳代謝があって栄枯盛衰が有るのは当然で、現在過去未来と絶対に無くならないのは食を扱う産業位では無いでしょうかね?

私がまだこの世に存在しない時代では、今で言う学生の就職先人気ランキングのトップは石炭産業でエリートが進む花形だった時代があったそうですが、今や見る影もないですし石炭の後を引き継いだ石油産業もどうやら原子力エネルギーや自然エネルギーにバトンを渡そうとしている時期が来ているようですね。

さて、多くの産業に必ずやってくる栄枯盛衰、商品個別の場合ですとプロダクトライフサイクルって事になりますが、新しい産業が芽吹いて成長していくのは当たり前の自然な事だと思いますが、時にその流れを国(政府)が妨げるような動きが出てしまうのはどうなのかな?って時々思いますね。

例えば 2009年の大不況は多くの企業に対して業績の悪化を余儀なくさせていますが、何故か(従事している労働者が膨大で産業そのものの裾野が非常に広いとの理由で)自動車産業に対して直接的な資金援助はしませんが、新車購入時の税金を軽減するなどの助成を行って新車の販売の手助けをしようとしていますよね?

まあ過去に自動車産業はもう膨大な税金を納めて税収に多大なる貢献をしてきたのも認めますし、自動車産業(に属する個別の企業)が経営赤字に転落してしまいますと国の税収はとんでもない歳入不足になってしまうってのも理解できますが、これから人口も減っていくし、公共の交通機関をより利用するモーダルシフトを進めて行かなければならない時代ですし、不必要な車は持たない、乗らない、利用しないの3無い運動をすべき時代に入って行っているのでは無いでしょうか?

としますと現在の自動車産業を助ける事よりも公共の交通機関へのシフトとか、自転車社会の整備とか迫り来る世界で起きる食糧危機への対応とか、自然エネルギーの活用だとか先を考えた産業方面に人・物・金のシフトを手助けしたほうが良いのでは無いかなって思いますね。

まあ労働者は今まで車を作っていた人間が明日から全く別の事をやれと言われても簡単に出来ない場合も有りますし、好きで職業を選んで今まで働いてきたと思いますので、簡単に違う産業に移れないと思うのですが、産業の栄枯盛衰の見極めみたいな事はしっかりやっておく必要が有るのでは無いでしょうか?