危険な事業拡大
倒産の原因のには色々有りますが、売上げの低迷と放漫経営と並んで事業の拡大に失敗して多額の負債を抱えて破綻してしまうってのが実に多いようなのでありますが、今回のコラムでは危険な事業拡大について書いて見ようと思います。
私が思うに事業拡大には二種類有って一つは今までやってきた事業を拡大させて営業拠点を増やしたり人員を拡大したりする場合と、もう一つは手を広げると言いますか新たな事業部や部門を立ち上げて多角化を図る場合だと思います。
一世を風靡した生キャラメルを販売していたなんとか牧場が東京に出店して一年も経たないうちに店舗を閉鎖したり従業員をリストラしたりしたニュースは結構大きく取り上げられたりしていましたが、会社の規模が小さかった頃はあんなに堅実に利益を毎年計上していたのに、拡大路線が裏目に出てあっという間に衰退した事例なんてものは山のように有ると思います。
経営者の気持ちは分かるんですよ、単純に社員数が10名で年商が1億円で営業利益として一千万円計上していたとしたら、だったら拠点を増やして社員を5倍に増やせば年商は5億円になって経常利益だってスケールメリットも生かせるようになるから五千万円以上は営業利益も出せるのではないかてね。
ところがどっこいそうは問屋が卸さないじゃないですけど、規模が大きくなってしまって社員が育ってないとか全体の統率が取れないとか、無能な中間管理職が何時の間にか増えてしまったとか、派閥が出来たとか下らないトラブルが増えたtか、新規に出した拠点が思うように売上げが上がらなくて赤字を出しているとか、会社の規模が大きくなって小回りがきかない状態でプロダクトライフサイクルの関係で損益分岐が上がってしまったとか、会社が傾きだして初めてこりゃ事業拡大に失敗したねって経営者がため息混じりにつぶやく場合も多いのではないでしょうか?
もうひとつの事業の多角化に関しては優秀な社員が揃っている大手企業ですら、新規事業を立ち上げては数年後に撤退するなんて事を繰り返して行っているわけですから、よほどの人材に恵まれていて、資金もないと中々成功は難しいのでは無いでしょうかね?
とは言え、会社を大きくして利益を出していくって事は経営者の多くが考える夢であり目標なわけですしそれがないと社会全体が停滞してしまうことにもなりますので、果敢にチャレンジする行動は賞賛されるべきだと思いますが、失敗すると経営者の評価はあっという間に地に落ちてしまうのが現実なんですよね。