資金ショートを乗り切る対策や方法論
その昔に資金ショート対策についてコラムを書いた事がありますが、その後も少々経験を積みまして新しい考え方ですとか出てきましたので書き記しておこうと思いますが、何と言いますか資金ショートしそうになった時に資金の借り入れを行って乗り切るか、逆に先ず第一に借り入れをこれ以上増やさないで資金ショートさせないように知恵を絞るかを比べますと、借り入れ出来るうちが花だとでも思っているのか、早く資金の心配から解放されたいのか借り入れに走る人がいますが、これがまあ経営には後でボディーブローのように効いてきて企業の体力を奪っていくのですよね。
勿論、給料の遅配で資金ショートを乗り切ろうとすると社員だって困りますし、モチベーションが下がって業績が更に悪化する可能性は高いですし、取引先の仕入れ代金の先延ばしや分割払交渉をしてしまいますと対外的な信用力が低下したり、経営危機の噂があっという間に流れて経営が立ちゆかなくなるって事も良く聞く話ですし、口で言うほど資金ショートを乗り切るためとはいえ、安易に借り入れに走らないと言っても難しい場合も少なく無いと思いますが、知恵を絞れば可能なアイデアが出てくる場合も有ると思うのですよね。
それに当たり前の話ですが長期未回収になっている売掛金の回収ですとか、不良在庫が有れば赤字でも何でも無駄な場所を占領しているだけですから、さっさと格安で処分して現金に換えてしまうとか、普段は社内でパソコンに向かっていて仕事をしているように見えて実は遊んでいる経営者とか管理職も営業に出かけて少しでも売上げを取ってくるとか、まあ経費を削減して資金ショートを乗り切ったとしても、やはり売上げを一定以上は確保して損益分岐点は超えていませんと、やがて破綻や倒産って事になってしまうのですよね。
更に資金ショートを乗り切るって事を目的と考えないのであれば傷口が浅いうちに会社の整理や清算を考えてしまったほうが良い場合も有るようでして、まぁ後になってあの時に無理しないで会社を清算してしまえば、これほど多くの人に迷惑をかけたり、個人の資産まですっかり失って無一文にならなかったのになって思えてしまう事例も沢山有ると思いますね。
つまりその、資金ショートを乗り切る対策や方法論ってのは、一時的な苦境を乗り切ってその後は挽回できるとか、元の平和な状態に経営が改善する事を前提に考えるので有りまして、その前提がないまま、今月の資金ショートを乗り切る事しか眼中にないのであれば、少し立ち止まって考える必要が有る場合が多いのでは無いでしょうか?