営業と演技と苦手な訪問先の克服

社内で部下の前ではあんなに嫌な上司で性格にも問題が有って部下からの人望はゼロなのに、社長の前では素早く豹変して太鼓持ちに大変身したかと思えば、営業活動でお客と接している時はにこやかな良い人になっているなんてのは、営業をやっている人の中には少なからず存在しますね?

これは本人も意識があってやっている確信的多重人格とも言えますし、立場や状況によって素早く必要な役柄を演じることが出来る役者さんが舞台に立つことなく営業部に所属しているとも言えますが、私自身もその特技を持っていますから分かるんですけど、最初の頃は多少は意識して状況や立場によって人格までかえて見せていたものが、自然とそんな振る舞いが身につくものなんですよね。

営業マンに限らずすべての人がそんな所があって、顕著なのが家庭内で見せる顔と会社員としての自分にギャップが有るなんてのは全ての人に当てはまるかもしれませんね。

まぁ社内ではあんなに堅物で真面目一本槍で冗談なんて言わないように思えるような人が、一歩家庭に入れば単なるスケベオヤジの本性を表しちゃうなんてのも実は珍しくないのかもしれませんが、ただ営業マンの場合は違ってもう少し高度なテクニックを駆使していると思うのですよ。

つまりですね営業先が法人の場合でも個人宅相手の営業の場合でも、営業をかける相手だったり営業先の会社が持っている社風なんてものを敏感に感じ取って、ケースバイケースで物腰や応対を変化させるって技を使う人も多いんですよね。

例えば創業明治元年で社員は高齢者が多くて頑固さを売りにしているような企業に営業を掛ける場合は、無駄口も排して必要以上に丁寧にこっちも堅物のような振る舞いのほうが相手の会社に受け入れられると瞬時に察知してそのように変身しても、一歩外に出て次の営業訪問先が若い企業で社長のノリで仕事しているような企業でしたら、先ほどの訪問先での自分は綺麗に忘れて相手のノリに合わせるように軌道修正するなんてのを結構多くの営業マンが無意識でやっていたりするものなんですね。

でですね、特に若い経験の浅い営業マンは苦手な訪問先ってのを作ってしまう事も少なくないのですけど、これは演技力が足りない以前に相手の素性や本性や社風を察知するセンサーが未だ十分に機能していない場合が多いからなんですね。

勿論、素早く雰囲気を見抜いたとしても演技する意識がないといつまでたっても演技力が向上しませんから、どうしても得意な営業先の守備範囲が狭くなってしまいますから、営業活動と演技ってのを少し意識してはどうでしょうか?