地域密着型営業とテリトリー変更の弊害

法人を営業が回って事務用品ですとか複写機なんかを販売する営業の世界では全国に営業所を展開する大手販売店と、地域にだけ存在する営業マンが数名で回っている地場密着の地域密着の販売店の2つが存在しています。

両社を比べますと価格競争力にしても知名度にしても、それからなんといっても営業マンの頭数などいろいろな面で大手の販売店が地域に密着している小さな販売店に優っているんですけど、結構多くの場合、特に地方都市なんかでは小さな地元未着の販売店が良い勝負をしているんですよね。

この要因を考えますと理由は実に簡単で全国展開しているような大手の販売店の場合は長くて3年とかいった短い期間で営業マンのテリトリー変更が行われますので、同じお客を十年二十年と同じ担当者が受け持っている地域密着営業に勝てない要因なんですよね。

大手企業と致しましたら同じ営業マンが同じテリトリーを何年も回っているとお客との癒着が生まれるだとか、自分の好きな訪問先ばかり営業に訪問して新規顧客開拓が疎かになるだとか、やっぱり個々の営業マンが営業社員として成長するために定期的なテリトリー変更が必要だとか、まぁ大きいのは営業社員がやがて出世して部下を持つようになる事を考えれば広範囲にお客を知っている必要がるってのが有ると思いますけど、結構この営業マンのテリトリー変更には弊害も大きいんですよね。

まずね新規顧客開拓を考えてみますと飛び込みで訪問して一発で責任者に面談できて取引が始まるなんて甘いもんじゃなくて、普通に何ヶ月もかかって何度も地域担当の営業マンが訪問してやっと小さな取引が始まりましたなんてのは当たり前の話で、これが頻繁に営業マンのテリトリーが行われますと折角取引が始まったのに担当者が変更になって継続しなかったり、訪問を繰り返していてもう少しで開拓できそうなのに、担当者が代わってまたゼロにリセットされてやり直しになったりなんてのは実際は多いんですね。

逆に社長と営業マン二人で何十年も地域密着で営業しているような販売店ですと、もう同じ企業をみんなが10年以上も担当していて社長から事務員さんからみんなが良く知っていて、営業先の社内の状況は事細かく把握しているなんて営業が結構多いんですね。

そんなわけで大手の販売店がもっと地域密着を意識して営業マンの移動を考えると地域の小さな販売店は太刀打ち出来ない状況になってしまうと思うんですけど、企業の成長とか成り立ちを考えると難しいのですよね。