交渉力を高める方法2
前回のコラムでは交渉ごとの結果を左右要因として交渉力を左右する外的要因について書きましたが今回は内的な要因、つまり交渉に当たる本人の問題について書いてみたいと思います。
まず最初に書いておきたいのが交渉の結果として(A)こちらに有利または望んだとおりの状態で交渉が終了する、(B)交渉決裂で終了、(C)話は平行線で次回以降に持ち越し(D)交渉はまとまったけど非常に不利な状態で受け入れがたい結果。
とまぁ大雑把に分類すると上記の4つの交渉結果になりますけど、念のため書いておきますと優先順位といいますか目指すべき結果の順番として(A)が目標で一番望ましくないのは(D)なのでありまして、(B)と(C)に関してはどちらとも言えないって感じじゃないでしょうかね?
つまりね営業的な交渉であっても違う場合であっても基本的に交渉ごとってのは必ず折り合いをつけて妥結しなくちゃいけないって決まりは無いのであります。
例えば原価が1000万円の製品を企業に売り込んで購入してもらう場合を考えますと、原価で販売しちゃったら当然ですけど営業経費は全く出なくてかかった経費はそっくり赤字になってしまいますから、この場合は交渉決裂して販売することなく終了してしまったほうが損失が少ないって事になりますよね。
もちろん交渉ごとってのはお金が絡むこと以外に沢山ありますけど、それでも必ずどこかで折り合いを付けなくちゃいけない、最後はまとめなくちゃいけないなんて間違った認識で交渉に臨みますと、交渉力も何も一方的に譲歩して終了って事になりかねないのです。
(販売目標がかかった営業マンはそんな事は言ってられないって場合があることも気持ちも十分に理解できますし、営業マンとかを評価する管理者側の人間が交渉結果の優先順位を違った捕らえ方を持っていて、交渉決裂を最悪の状態だと認識していると、交渉に臨む営業マンとしては、最初から交渉力の基礎戦闘力をマイナス状態でしなくちゃいけない状態なんですけどね)
つまり交渉力を高める方法の第一歩は結果の優先順位を正しく認識することから始めるべきで、これは国同士の交渉を見ていると良く分かりますよね。
フランスだとかアメリカだとか北朝鮮だとか交渉力が強いって国を見れば、彼らは思い通りにならないときには、無理してこちらから折れてまでまとめようといった思考はないようですからね?
そんなわけで交渉力を高める方法の第一ステップを通過いたしましたら、あとは実践経験を重ねて心の弱さを克服していけば自然に交渉力は強くなるのですよ。