関税と自由貿易

昔々に聞いた話では関税の語源は日本各所に設けられた関所ってところから来ているとの事で、入り鉄砲に出女なんて関所の要注意事項を習った人も多いと思います。

さて巷ではTPP交渉参加に関して大騒ぎなのでありますが、推進する人たちが自由貿易つまり読んで字のごとく自由な交易は推し進めるべきだって錦の御旗なのでありますが果たして実施のところ自由な貿易ってのは全てが良いことなのでしょうか?

私の周りには貿易関係の人もいませんし個人輸入なんてものもやったことはないわけでありますが、確かに何かを輸出しようとしたり輸入しようとすると、関税の手続きが存在して関税を支払うことになるのは間違いないのでしょう。

でね、貿易ってのは交易であってつまりその物品やお金が違う国同士でやり取りする事になるわけですが、なんだかんだ言って必ず利害が発生しますし間違いなく国際間の競争が発生してくるわけで、勝つ場合も負ける場合も出てくるのは間違いないわけです。

狂信的な新自由主義者ですとか西のほうのハシシタとか呼ばれる市長さんがしきりにアジアの成長力を取り込むだとか、競争力をつけて日本は世界に打って出るべきだなんて事をお題目のように叫んでいる気がします。

思い起こせば自動車を起因とするアメリカとの貿易摩擦を覚えている人も多いと思いますが、日本が競争力を高めるために労働者の賃金を低く抑えてサービス残業も厭わず良い商品を製造して、海外に販売しても、輸出先の労働者の雇用や所得を奪うだけで貿易摩擦の種でしかないと思いますし、逆の場合でしたら日本国内の雇用や所得が奪われるだけ、つまり弱肉強食の、北斗の拳さながらの世界になるだけなのです。

話を関税つまり関所を通るための税金の話をいたしますと、企業ってのはもちろん利益を求めて営業活動を行って、儲けた利益の中から税金の形で社会に還元するのが仕事ですから、日本国内で商品を製造したり調達するよりも、労働力の安い海外から輸入したほうが安くて競争力があって利益が確保できるのであれば、そっちに流れるのは企業の目的として当然の事だろうと思います。

ただそんな海外調達する企業ばかり増えると、日本国内の製造業が衰退して雇用機会の激減につながりますから、ここは個別企業利益追求は考えずに国内全体の利益を考えて特定の商品に税金(関税)を設定する国の役割が必要になってくるわけです。

企業としてはひたすら自分たちの利益追求にいそしみたい・・・おいおい、あのね日本国内が失業率が低くて適切な労働分配率を確保していれば、可処分所得の多い労働者が国内に多く存在することになって、結果的に関税で国内産業を守ったほうが企業も長期的に安定して利益を享受できるんですけどね。

まぁ国家感がないといいますか変なイデオロギーや主義主張に凝り固まった新自由主義者には一生分からないんでしょうけどね。