低価格路線は倒産(破滅)への道?

継続性はともかくとして低価格路線に営業戦略を変更して売上増とか客数の増加に成功した企業は結構ありますけど、やってはいけないのは、背に腹は代えられないから値下げしましょう、ライバル他社が値下げしたのでしかたがないので当社も追随しないとといった妄想じゃなかった推測によって不本意ながらってのは良くないですね。

特にね粗利率が高くない商材、例えば仕入れが70%で粗利率が30%の商品ってのは普通に沢山あると思いますが、これを定価の100万円で販売していれば一個売って30万円の粗利額になりますね。

ライバル企業が値下げしたのでこっちも10%の値下げをした結果、一個販売しての粗利額は20万円と販売価格を10%下げますと粗利も10%下がるんじゃなくて33%下がるわけで、会社の維持に必要な一ヶ月の粗利額が3000万円だった場合、100万円で販売していれば100個売れば良いのですが、粗利額が20万円に下がったら1.5倍の150個販売しないと同じ粗利額にならないんですよね。

更に実際はそんな単純計算じゃなくて仕入れ量が増えることによって仕入れ価格の値下げ交渉が可能になったり、逆に販売量が増加することによって人件費だの通信費だの諸々の諸経費が増加するだの出てくるんですけどね。

けど基本的に言えるのは値下げ前の価格で販売する労力と比べて粗利額が下がった分だけ余分に販売しなくちゃいけない労力のほうが大変な場合が多いのでは無いでしょうか?

ここで参考になるのは某通信系のIT企業なんですが、基本料金だとか本体価格だとか消費者の目を引く部分は0円だとか10円だとか非常に安く設定するんですけど、そこはちゃんとカラクリが用意してあって、オプションの料金が微妙に高かったり、アフターサービスの範囲が狭かったりと、ぱっと見だと低価格路線まっしぐらのように見えてその実態は、他社よりもランニングコストが10%高かったりと似非低価格路線なんですね。

まぁ今話題の牛丼の安売り競争なんてのも牛丼を安くしてサイドメニューの販売に期待して客単価が値下げ前よりも上がることを期待しての戦略みたいですけど、長く続けていけるようには思いませんし結局は消耗戦に突入した感じですよね。

結論としてはちゃんとした将来の展望がないまま低価格路線に歩み始めると、その先に待つものは倒産の二文字って場合が多いわけですが、わかっていても他社の安値攻勢に引きずられて事で座して倒産を待つよりも戦いに・・・もう一度ゆっくり考えましょうね。

なにせ値下げするのは簡単ですけど逆に値上げするにはその100倍の苦労が待っていますからね。