価格戦略、低価格路線も高級路線も何故失敗するほうが多いのか?
確固たる統計資料が有るわけじゃないんですけど、収益の改善ですとか売上の落ち込みをカバーするとか言った目的で提供する物やサービスの価格を変更する価格戦略には安売りの方向へシフトする場合と逆の客単価のアップを狙って高級路線に移行する場合と両方あるわけですけど、私の感じる限りはどちらの場合も失敗する例が成功する例よりも多いように感じます。
先に結論を書いてしまいますと過去の価格帯で掴んでいた客層ってのが必ずあるわけですから、極端な話では価格を倍にするとか半分にするといった事を行いますと違う客層をつかむために新規顧客開拓を一からやり直す状態になる場合があるって事ですね。
まぁそこまで極端な例はないと致しましてもよほど慎重かつ計画的にやっても価格帯変更を伴う価格戦略は失敗しますし、当然ですけど思いつきで販売価格を弄くるなんてのは失敗が保証されていると思ったほうが良いでしょう。
まずデフレ経済下では低価格路線に舵を切る例が多いのですけど、確かに値上げして客離れをおこす心配が少ないですからコッチ方面に進んでしまう例が多いわけですけど、これってのは特に中小零細企業の場合においては弱気な現れなんですよね。
基本的に低価格にシフトするって事は原価を切り詰めるってのが鉄則ですけど、それが出来ない場合においては粗利率が低下しますからその分だけ数を多く販売しないといけないわけですね。
単純に仕入原価80円の物を100円で売っていたのを90円にして粗利率を20%から10%に下げるって事は倍の量を売らなくちゃいけないんですから、普通に考えて労多くして益少なし方面に自ら進んで行ってしまう場合が多いんですね。
ですから基本的にというよりも商売の鉄則とも言えると思うのですけど、商売人ってのは安く買って高く売る方向を目指すのが当たり前で利益を追求するために商売しているんですから、価格戦略を考えるんでしたらまず高級路線とか値上げの方向を検討すべきでしょう。
でですね値上げの方向で考える場合なんですけど、多少の手直しを飛び越えまして高級路線ですとかいった思い切り上を目指すなんて場合においては、心構えとして今から新たに新規顧客開拓をするぞって意気込みとか計画が必要だと思います。
よくね価格戦略で高価格高級路線に失敗して既存客がついてこなかったなんてのが三流経済誌なんかに出ていますけど、それは当たり前の話なんですよ、違う客層を狙うわけなんですからね。
ですから値上げの方向性を打ち出すってことは単に値段を上げて客単価の向上を目指すんじゃなくて、新規顧客開拓を気持も新たに致しまして市場開拓を行う気持ちと計画が必要なんですね。