値下げの本音と建前と大義名分

商売をやっていますと諸事情により値下げを断行しなくちゃいけない状況に陥ったりするのですけど、値下げすると言うのは自ら商材の価値を低くする行為ですし、今まで購入してくれた既存客の心象の問題もありますし単に販売価格を下げると言っても色々と難しい問題が有るので有りまして、本音とは違う建前の理由を考えなくちゃいけない場合も出てくるのですね。

長い歳月をかけて企画から生産して製品として世に送り出すまでは、自信満々でこりゃ100万円でも安いくらいでこの値段なら消費者は間違いなくみんな買ってくれる意気込んで、販売開始し多額の宣伝広告費をつぎ込んだのにもかかわらず販売実績は目標の半分にも満たない数字で、生産ラインは動き出しちゃっているしこりゃ売上は予想を大幅に下回るし在庫のほうはどんどん積み上がってしまうし、営業マンに発破をかけても市場の方はどうも受け入れてくれないみたい・・・どうしましょう・・あてとフンドシは向こうから外れるなんて言いますしね。

でまぁ背に腹は変えられないと言いますか在庫の山を何とか現金化致しませんと資金繰りが火の車なんて状況で、広告宣伝費を使いすぎているし販売促進キャンペーンもやり尽くしたし・・あとは値下げして安くても良いので売っちゃおうなんて思考パターンになってしまう場合が少なくないのでは無いでしょうかね?

では目先の資金繰りのこともあるし値下げして販売しましょうって事になるわけですけど、既に同じ商品を高い値段で販売してくれているユーザーの事もありますし、取り扱ってくれている代理店や販売店が有った場合には更に単価の下落ってのは売り上げダウンよ粗利益の縮小に繋がりますから、そこは何か上手い言い訳じゃなかった値下げの理由を取って付けなくちゃいけないわけですよ。

で、例えば販売実績◯万個達成謝恩記念とかいった理由を付けるとか期間限定キャンペーンで1万円キャッシュバックだとか色々と本音とは違う建前の理由を付けて安売りをしちゃったりする場合が多いんですね。

ただ実際のところ販売現場におきましてはそんな建前上の値下げ理由をころっと信じこんでしまって、思わず買ってしまう消費者が少なくないのが現実なんですから、まぁどうしても値下げをしないとどうにも経営上問題がある場合には、安易な値下げじゃないよってアピールを行うためにちゃんと建前の理由を考えなくちゃいけないんですよね。

単に値下げをしてかえって市場の信用を失ったり、商品価値を下げただけで終わってしまうような価格戦略は避けたいですからね。