値引き権限と理由書
これはとある会社に私がまだ勤めていて営業所長をしていた頃の話ですが、確か営業マンは定価の10%までの値引き権限が許されていたのですが、特定の営業マンにおいては商談のたびごとにそれ以上の値引きでの見積提出の許可を求める理由書が提出されて、私もまぁ渋々応じていたわけですけど下手に値引き権限を与えますと営業マンの力の差が歴然と出てしまいますね?
そりゃまぁ競合してあいみつになる商談も多かったですしお客があと10万円値引いてくれたら買うけど、それ以上の値引きが出来ないのなら買わないなんて言われてしまいましたら、応じざるをえないことが出てくるのは分かります。
私の場合は自社開発のパッケージソフトを販売していましたから、粗利益の計算方法が販売価格イコール粗利益だったので沢山値引きしても営業マンの成績上はちゃんと粗利益が計上されていましたからそんな事になったのだと思いますけど、もしこれが仕入れ商品で原価が計上されていたら値引きしないで売ってくる営業マンと値引きしなくちゃ売れない営業マンでは粗利益で相当の差が出ていたでしょうね?
その後私は独立致しまして理由書とは無縁の世界になったのですが、自分の考え方で好きに値引きが出来るような立場になりましたけど、かえって一切の値引きをしなくなりましたね?
思うに営業マンだって馬鹿じゃないですから例えば最初から法律で・・じゃ無かった社内規定でワンプライス販売を推奨していて値引き販売が出来ないとなれば商談の最初からその旨で商談を進めて行くでしょうし、値引き方面に話を持っていかないでしょうし営業力も上がってくると思うのですよね。
それが会社的に直ぐに値引きに応じてしまう体質ですと営業マンの方もやっぱりそれに習いまして、商談ってのは値引き交渉する場所であってクロージングってのは値引き額を決定して購入の承諾を貰って契約書に捺印を貰う場だと勘違いしてしまいますからね?
それとついでに書いておきますけど値引きに限らず理由書ってのは通常の業務の流れとや決まりと違うイレギュラーな事を行うときに提出するものですから、販売のたびごとに理由書が出てくるような状況になっているのでしたら、決まりそのものに問題が有るのではないかと考えた方が良いのではないでしょうかね?
追伸
そう言えば昔の思い出ですけどうるさい商談相手に遭遇致しまして、高いので見積書を出し直してこいって言われたのですがこっちはもう売る気が無くなっていたので、再提出の見積書は再度見積を作成する作成料金を追加して出した思い出が有りますね。
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