営業マンの作り話
一丁前の営業マンでしたら客先で即興で作り話の一つでも出来なきゃ駄目ですよってのが今回のお話です。
営業マンが新規顧客開拓から商談、クロージング、成約に至るまでにはストーリーを必要とする場合が有りまして、時にはそのストーリーを補強する形でストーリーが必要になる場合が有りますね。
例えばとある地域においてライバル他社が圧倒的に強くて大きなシェアを握られているんだけど、なんとか巻き返して地域ナンバーワンのシェアを3年以内に目指そうとする場合にですね、他社から自社に乗り換えて大喜びしているユーザーさんの声なんてのが欲しいわけですよ。
現実はライバル他社が非常に強い市場なので出血赤字大サービス、原価割れもなんのその半値八掛け五割引きで必死の思いで頼み込んで、渋々ながら契約してもらってやっぱり使い慣れた他社製品のほうが使いやすいけど安かったから仕方がないか、なーんて感じで使っているユーザーが少数う存在しているわけですけど、事実をありのままに伝えるわけにはいきませんから、作り話とまではいかない迄も多少の脚色が必要になってくるのでありまして、商談を進めているユーザーに周りの状況を販売に有利になるように伝えなくちゃいけないわけですよ。
「周りのユーザーさんですか?そうですねこの地域は弊社じゃなくてB社さんが強い地域なんですけど、やっと弊社もこちらの市場開拓に乗り出しまして毎月確実に弊社のユーザーさんが増えて弊社の市場シェアは増えている状況です、つまりB社さんのシェアは弊社が奪い始めているって状況ですね」
「それとB社さんから弊社に乗り換えて頂いたお客様の話ですけど、最初はうちも使い慣れたシステムを弊社に変えてもらうんですから営業にも苦労していますけど、それでも弊社の優位性を認めて導入していただいたお客様はみなさん普通に業務をこなして、特に不満などの声を頂いていないですよ」
なんて感じで極小さい事実を拡大解釈しまして営業トークを展開するのが売るための必須事項なのでありまして、営業マンたるものうそを重ねて販売に成功しても後で困るだけですけど、矛盾やうそのない作り話を展開するってのは時には必要な営業トークであり必要だと思うわけです。
それと作り話で注意しなくちゃいけないのは上司との同行営業が発生した時などは客先に訪問するまでに、過去に自分がお客に話をした作り話をきちんと伝えておきませんと客先で上司が違うことを言っちゃったりして困ることになりますからね。