仮面・営業マン

本家仮面の男はワタシ的には仮面ライダーの本郷猛なので有りますが、世界征服を企むショッカーとは全く関係のないセールスマン、つまり仮面営業マンの話なのです。

世の中には仮面夫婦だのガラスの仮面だのいろんなお面マニアな人がいらっしゃいますけど、たぶん数的にマジョリティとして一番の大勢力を有しているのが仮面営業マンじゃないかと思いますね。

さて実際に体験した人も相当多いんじゃないかと思いますけど、強面でいつも部下に強い態度で接していて基本的に部下から煙たがる存在である上司とですね、何らかの必要があって客先に同行営業した時に、普段見せる強面な姿はすっかり消えてしまって物腰の柔らかい腰の低い営業マンに豹変したのを見てびっくりしたなんて経験は有るのでは無いでしょうか?

別にヘンシーンとか変身ポーズも取らないしズボンに巻き付いているのは普通の牛革ベルトで変身ベルトには見えないのに、客先での上司の姿はまるで良い人みたいになっちゃって、さすがは営業課長の椅子に座っているだけのことは有るなんてのは、まぁ管理職になっている人だったら普通にこなせる芸当だと思うのです。

部下から嫌われていて人望ゼロの現場からの叩き上げの部長がいったい平社員として働いていた時に営業なんて出来たんだろうかと疑問に思ってしまうような人も多いのですけど、そりゃ当然ですけど手提げかばんの中には良い人の仮面が忍ばせてあるにきまっているわけですよ。

さてこのように営業経験を積むに従って百戦錬磨の仮面営業マンに成長して、世界制覇を企むじゃなかった間違えた所属する企業のために日夜売上ノルマと戦うわけですけど、この辺りは自分なりに会得する人も多いですけど社内研修なんてのはある意味では立派な仮面営業マンになるための研修でもあると思うのです。

一部の学生を除けば学校を出て社会に出たばかりの新入社員なんてのは、あどけなさとか子供の面影が未だ残っている初心者マークの社会人なわけですよ。

そこで企業が新入社員に様々な社内やら社外研修を行うのですけど、頭の中に知識をつめ込むって事と同時にですね、幼い顔付きの上にお面を被せて仮面営業マンに仕立て上げる作業でも有ると思うのです。

そこから現場で経験を積むことによって普段がどんなにいい加減で周りによく思われていない人でも、一度営業マンとして客先に足を踏み入れたら立ちどころに変身できる能力を身に付けていくわけです