営業活動とお客のサインと虫の知らせ

営業活動をしていますと後になってから、あれがやめておけのサインだったとか、虫の知らせだったんだと分かる時があります。

すごく変な虫の知らせでは新規顧客開拓中のお客への訪問でね、事前に持参するものを入念にチェックしたのに何故か名刺入れの中の名刺が切れていたとか、たまたま公共交通機関が不測の事態で大幅に遅れて遅刻しそうになるとか、普通に考えれば単に忘れ物ですとか電車の遅れなんてのはよくある話で虫の知らせでもなんでもないと思ってしまうところですが、そんなことが起きたお客ってのは必ずと言っていいほど後で何らかのトラブルを抱えることになるわけですよ。

変な話なんですけど私はこの手の体験や経験を結構していまして、営業活動中に何らかのアクシデントと言いますか、訪問する前にそれを邪魔するような事柄が発生した客先なんかでは、どうも後になってあそこと取引をしても利益にならないばかりか、トラブルが発生して余計な手間を取られるってサインが事前に必ず何らかの形で出ているものだと思っています。

勿論逆の良いことが起きる場合も有って一日の営業活動が予定通りに終了してまだ会社に戻るには十分時間に余裕がある時に、何故かラジオから特定の業界に関する話題が流れていて、ふと思い浮かんだその業界のお客に訪問してみたら、簡単に見込み客が獲得できて契約に至りましたなんて事もあるわけですよ。

よく営業研修なんかではクロージングや商談が終盤に差し掛かった時に、お客が出す買いたいぞサインですとかもう興味が無いので商談を打ち切りたいぞサインの見分け方や発見方法なんてのをやったり致しますが、営業研修では絶対に教えない虫の知らせみたいなものを感じ取る力ってのも営業マンの能力の一つだと思っています。

そんな事は有り得ないって思う方が多いと思いますが、簡単な例で例えば新規顧客開拓で初めて訪問する客先でね、相手の会社の事務所に一歩足を踏み入れた時、ここは売れそうとか売れないだろうとか多分顧客開拓が成功して顧客に半年後にはなっているだろうって感じることはありませんか?

そんな先入観を持って営業の仕事をしてはいけませんって声が聞こえてきそうな気がしますが、そうではなくて営業マンってのは営業中に耳に入ってくる相手の声だけを頼りに仕事しているんじゃなくて、社内の雰囲気ですとか訪問した際にお茶が出るかどうか又、出してくれる時のお茶を置く仕草などあらゆる動向に気を配りアンテナを張ってサインを見落とさないように仕事をしなくちゃいけないって事なんですよ。