管理される職

日本の場合だとたぶん管理職の地位にいると言っても実際は管理される職だったり連絡係でしかたなかったりするわけですけど、逆にその分だけ管理職としての責任が軽減されているってところが有りますよね。

例えばですね勤務時間内は忠実に上司の指示命令を忠実にこなしていれば、責任は一切ないしもし上司からの命令を100%実行できなかったとしても命令に問題が有ったって事で固定給30万円が保証されている場合と、逆に管理職として自分の意志や考え方で自分の部下を自由につかって働いて貰うけど責任の所在が明確で成果が上がらなかったら解雇だし、給料も成績が良ければ青天井だけど赤字なんて出したら無給で働いて貰いますなんて感じで、どっちの地位で働きたいかと聞かれたらどっちを選ぶでしょうか?

たぶん大多数の人は上司の言うことさえ聞いていれば責任も一切ないし固定給が保証されている方を選ぶのではないかと思います。

これは両極端な例えですけど、明確に管理職つまりマネージャーとして成果を正当に評価するけどその代わりに責任もとっても重いから実力者じゃないとお呼びじゃないからねなんてやりますと、誰も管理職なんてやりたがらないですし、第一そのマネージャーに見合った能力がある社員なんてのはそんなに居るわけが無いですからね。

ですからといってはなんですけど、会社の殆どの管理職と呼ばれる人も実は更に上から管理されている立場ですし、経営トップだなんて言いましてもある程度の規模の会社になりますと、役員会だの何だのと会議でみんなで意思決定しますから、結局は中小企業のワンマン社長以外に他人を管理することだけが仕事って人はいないんですよね。

でですねコレが日本企業の弱点かと言いますと、逆に日本企業の強さの秘訣みたいな所があると思うんですよ。

一人は万人のため万人は一人のためじゃないですけど、これが管理職の地位にある役職者が完全にマネージャーとしての権限と責任をもっていなくて、営業成績でもなんでも大きな成果を勝ち取った時にですねマネージャー一人の手柄にはならなくて組織とか部門とかチーム全体の手柄みたいな感じになりますしね。

それによく責任の所在がはっきりしないからどうのこうのって意見も有りますけど、それで良いんですよ。

誰かの失敗でも何となく組織全体の問題みたいな感じになりますから、他人の失敗をカバーするとかみんなで助け合うって風潮がそこから生まれますからね。

そんなわけで管理職も管理される職みたいな感じが残っていて良いと思うのです。