入札制度の問題と数合わせ
最近は入札に纏わる談合ですとか予定金額の漏洩なんて話は少なくなりましたけど、この入札制度ってのは果たして良い制度なのでしょうかね?
公共機関が何か設備を導入するとか公共投資を行うなどの一定金額以上の出費をする場合に、広く業者に周知致しまして各企業から見積もりを提出してもらいまして基本的には最も安い業者から購入する制度でありまして、表面上は大切な税金を節約するために少しでも安く提示した業者から購入するって事になりますね。
昔はよく私のところへも入札のご案内といいますか実際は見積もり提出のお願いみたいな話が舞い込んできていた時期がありましたけど、この場合の多くが数合わせだった可能性が非常に高いのです。
どういう事かと申しますと、公共企業によって発注金額ごとに入札業者数が決められていまして、例えば1000万円の案件でしたら最低業者数は5社以上から入札が必要ですなんて感じになっていまして、ハッキリ言いまして数合わせに使われる業者は迷惑な話で、どうせ普通に適正利潤で応札しても落札できる可能性はゼロに等しいですし、かといって赤字金額で応札なんてするんでしたら、そんな仕事なんてしないほうが良いわけですよ。
それにねある程度の規模のシステム案件なんてのは簡単に見積書なんて作れる代物じゃ無くて、システムの堅牢性ですとか外部のシステムを一部に組み込んで使う場合の動作検証ですとか、ハードウェアなんてもも頻繁に価格も機能仕様も変わってきますし、外部のメーカーへの問合せなんて時間を含めますと下手すると数日時間を取られるなんて事もあるわけですよ。
そりゃまぁどうせ落札できない応札ですから手を抜いて見積もりますけど、間違って妙なものを提出して間違って落札してから辞退しまうなんて事は出来ませんからね。
でね入札制度の一番大きな問題ってのは発注者の知識レベルが不十分だと内容まで十分に精査することが出来ないって事と、販売側の営業的な動きが制限されてしまって、表から見えにくい部分が出てしまうって事なんですね。
だって民間企業が大きな出費を伴うものを導入する場合にですね、単純に金額だけで合いみつを取るなんて事はしないのでありまして、様々な角度から十分に吟味致しまして、そこから稟議書を作ったり内部での検討委員会を立ち上げたり致しまして、より有効に資金を使うようにするんですね。
それが単純に入札制度なんて事を致しますと表面上の金額だけの問題に単純化されてしまうんですよね。