経費削減の落とし穴と聖域

既に大々的に報道されていますが中国産の賞味期限切れ鶏肉をつかった商品を提供した大手外食産業が商品の販売停止とそれに伴う大きな信用失墜という打撃を受けていますね。

これは経費削減の失敗例と言いますかやってはいけない所に経費削減の手を出してしまった結果ではないかと思いませんか?

そもそも外食産業なんてのは企業やその提供する商品の信用の根源は調達する食材に大部分を頼っているんですから、その根源である食材を経費削減にしてしまう企業なんてのは目先の経費は削減できたとしても、引き換えに信用を失う落とし穴に導かれてしまうと思うのです。

あのですね経費削減ですとかコスト削減を色々な企業が取り組んでいると思いますが、なんだかんだ言ってもそれが聖域なき経費削減と言ってもここだけは手を出してはいけないって聖域が必ずあるものなんですね。

例えば役員報酬ですとか、社長の親族であるという理由だけで何故か役員に名を連ねていて、実際に仕事なんて何もしていないしそもそも誰も姿を見たことがないような幽霊役員に対する役員報酬がコストカットとか経費削減の対象外の聖域として暗黙の了解になっているなんてのは同族企業ではよくある話です。

別に役員報酬を経費削減やコストカットの聖域として指定するのはそりゃ会社の勝手ですしそもそもの目的が役員報酬に手を付けないためのコストカットや経費削減である場合が多いんですから仕方がない話なんですけど、今回のように根源である食材の調達を軽んじてコストカットのメスを入れてはいけないと思うんですよね。

そりゃまぁ無駄があるんでしたらそれは省かなくちゃいけないわけですけど、社会の大原則と致しましてコストカットを致しますと、それに正比例して品質が下がったりするのは当たり前の話であって、品質を維持しつつコストカットに成功しましたなんてのは、ごく少数派でやっぱり大原則にはそう簡単に逆らうことは出来ないのですよ。

これはよくコストカットの一番にあげられる人件費の削減なんてのはまさに、その原則にきちんとのっとって現象が現れるのでありまして、人件費を削減いたしますと必ず愛社精神ですとか社内のモラルですとか仕事に対する意欲なんかが間違いなく低下するのですよ、絶対にね。

ですからね、よく頭の少々不自由な人なんかが聖域なきコストカットだとか平気で口に出して自分の能力は広くみんなに告知したりいたしますけど、聖域ってのは必要な場合が圧倒的に多いってことを肝に銘じたほうが経費削減やコストカットは成功すると思うのです。