企業経営と変わる上流思考
産業構造の変化はいろいろな形で現れてきますが、変化の兆しを感じる要素の一つに利益率とか利幅とか経常利益があります。
今から二昔前の頃に聞いた話ですが、様々な産業が日本にありますが基本的に上流に行くほど儲かるようになっていて下流に行くほど薄利になっていくというものでした。
つまり産業における上流とは製品を作り出しているメーカーを指しまして、そこから下流に進むと卸売業者だとか問屋になって、最終的には一番下流の小売店というのが上流とか下流の考え方です。
確かに製品を生み出すメーカーには簡単に参入できませんし、参入するには大きな資金とか人手ですとか色々と沢山の必要な要素と販売ルートの確保などのハードルが高いのですけど、下流にあたる小売店への参入はメーカーを立ち上げるのに比べたら、ハードルはうんと低いわけですから、ライバルの参入も多く薄利商売に陥りやすいって事ですね。
まぁ私と同じ年代の人でしたらメーカーは儲かるけど小売店は薄利な商売で、食品スーパーなんてのは薄利多売で大変な商売だって感じに思っている人も多いのではないかと思います。
しかしふと改めて状況を見回してみますと、大手のコンビニエンスストアですとか優良大手スーパーなんてのは下手なメーカーよりもよほど利益を出して安定した売上を計上していますし、何しろ為替変動の影響ですとかいった大きなリスクによって業績が急転するリスクも少ないですし、何しろですね、小売店とメーカーの立場に一部で逆転しているって現実がありますよね。
昔はですねメーカーは大々的に自社製品を宣伝致しまして、メーカーの意に沿った販売方法を取らない小売店には出荷停止って強硬手段にでるなんて事もありましたけど、
それが最近では立場が逆転し始めるような事例が出てくるように・・なんて事はどうでも良くて産業全体としてね、今は上流とか下流だとかそういった括りで薄利だとか厚利だとかを判断することは出来なくなってきていて、規模だとか体制だとかノウハウみたいなものが儲かるとか薄利多売だとかをより決定する要素になってきているんだと思います。
昔はですねとにかくテレビコマーシャルを上手に作って消費者に立派で大きなメーカーだとイメージを植え付ければ、それなりにメーカーとしてやっていけたんですけど、最近じゃテレビコマーシャルの世界でも名だたる大手の小売店チェーンの広告が幅を利かせていますからね。
そういえば消費者金融業界の鼻息が荒い時にはサラ金のCMばかりだった時代もありましたね。