低価格路線の行き着く先(安けりゃ売れるの考え)
まず営業マンは安いの意味を肝に銘じなくちゃいけないのでありまして、そりゃ高品質で低価格であればほんとうの意味で消費者に安いと受け止めて貰えますけど、コスト削減にしっかり正比例して品質まで低下させておいて、ほら安いでしょうでは何の意味もないわけで有りまして、その辺りを分かっていないと商売の成功は無理なんですね。
さてこれは現場の営業レベルでもそうですけど企業の営業戦略で考えますと、低価格路線の行き着く先までちゃんと分かっていたら、そう簡単にそっちの道に進めなくなると思うのですよ。
まず安けりゃ売れるだろうって安易な考えで利益を圧縮しての販売で従業員の人件費にしわ寄せが行って結局は顧客満足度が下がってしまって、顧客が離れていくなんてのは小売店では珍しくない事ですけど、メーカーやプライベートブランドを製造しているような大型スーパーなんかではもっと先まであるわけです。
販売価格を下げてなおかつ一定の利益を確保しようと考えて、例えば人件費の安い国からの輸入品を中心にとか原料費を節約して生産コストを下げるだとか、はじめに低価格路線ありきの販売価格を下げることが目的になってしまいますと、そりゃ世の中うまく出来ているものでちゃんと品質もそれに合わせて下がってくれるわけです。
そうなりますと一時的には販売量が増加する場合も有りますし、値段目当てのお客が増えて他社の顧客をこっちに奪うことも出来るのかもしれませんけど、低価格路線で下がった品質によって気がついたら客層が下のランクに下がってっしまっているんですね。
つまり一回の買い物で1万円購入してくれるお客がどこか他の店に乗り換えてしまって、代わりに安物買いの銭失い客と言いますか、とにかく目先の支払う金額だけしか頭に無いような一回の買い物で五千円しか使わないお客ばかりになってしまうわけですよ。
それでもそんな値段しか頭にないようなお客がライバル小売店から乗り換えて自分のお店に来てくれればカバーできるのかもしれませんけど、単に購入額の大きな上客がいなくなってしまって残るのは余りお金を使わないような、お客ばかりって事になってしまいます。
もうそうなりますと今度は店に来るお客がそんなお金を使わないとか特売品しか買わないようなお客が中心になってしまえば、お店の品揃えもそんな客層に合わせて低価格低品質の品物を中心に店頭に並べないと営業が成り立たなくなってしまうわけですから、もう簡単に業績回復は難しくなってしまいます。
ねっ!低価格路線の行き着く先に明るい未来は見えないのです。