独占禁止法とグローバル経済

商売をしている経営者でしたらそりゃ市場を一人で独占してしまって、殿様商売で不当に高い金額でも我が社の製品を買う以外に選択権がないのでうから巨万の富を築きあげることも夢じゃないのですけど、そんな状態では消費者が著しく不利益を蒙りますし国内経済にも宜しくない影響を与えてしまうので独占禁止法という商行為の一部を制限する法律が機能してきた訳ですね。

いまだにダーウィンの進化論を信じている人は少ないと思いますけど、環境に適合(市場にマッチした)した生物が生き残るのではなく実際の自然界では自然と調和を取るような状況になるのですけど、唯一例外なのが人間の世界なので有りまして、ほうっておくと本当に強いものだけが生き残ってしまうから、独占禁止法ってのは日本経済の発展に不可欠だったと思います。

さてどうも過度なといいますか一部の内側から泥棒を招き入れるやつといいますか、グローバル化という名の自由競争の土俵に日本は徐々に引っ張り込まれつつ有るのですけど、そうすると独占禁止法は完全に力を失ってしまうのは間違いないのでは無いでしょうか?

過去の流れを見てもグローバル・スタンダードになってしまった外国勢力が国内に入ってきて気がついたらすっかり日本市場を独占されて閉まっていて、巻き返そうと思ってもすっかり隅々まで市場を押さえられてしまって為す術無しで手も足も出ないなんて状況になってしまうんですよ。

なにせ私が感じるにはグローバル経済の中で勝ち残っているグローバル企業ってのは共存共栄の思想は微塵もなくて、有るのはいかにして市場を独占するかといった戦略的な考えしか無いのですから、一社独占状態に進むしか無いんですよ。

ひとつ具体的な例を出しますとパソコンのOS(オペレーションシステム)ですけど、これはマイクロソフトのウィンドウズとアップルが市場を独占していまして、日本のOSは全く動いていないのが実情ですね。

かつてはTORON(トロン)と呼ばれた日本発のOSが存在していた人もめっきり少なくなったと思いますけど、可能性としてウィンドウズに対抗出来るだけの可能性を持ったOSがかつての日本には存在していたんですけど、あえなく撃沈してしまって今のアメリカ企業の独占状態になってしまったパソコン市場が有ります。

そうなんですよ、国内法である独占禁止法では海外企業から国内企業を守ることが出来ないのでありまして、気が付くと日本企業は軒並み撃沈しちゃったり致しますので過度なグローバル化には歯止めをかけなくちゃいけないのです。