のれんの営業力
報道によりますと日本における価格破壊の小売店として知名度も高かったダイエーがイオンの100%子会社化によってそのダイエーの看板が消滅するのだそうだ。
う~ん折角のビッグネームであるダイエーの看板を消滅させるなんてよほどイオンののれんに自身があるのか、ダイエーの看板を軽く見ているのか非常に勿体ない気がしますね。
ブランドイメージですとか屋号のれんの類ってのは基本的に世間に認知されてそれなりの価値を持つために何年もの長い月日を必要としたり、または莫大な宣伝広告費を投入しなくちゃいけないのに、勿体ない話です。
そういえば福井に有る百貨店の話ですけど、西武グループが地元のデパートを”だるま屋”を買収いたしましたが、直ぐに店名を西武福井店にすることはしないで、十年以上もだるま屋西武の名称で営業を続けたのでありまして、これはやはり単に立地条件とか小売店を買い取っただけでなく、だるま屋という暖簾やその顧客も一緒に吸収したといった意識がちゃんと有ったからでは無いでしょうかね?
思うにマーケティングがどうのこうのだとか販売促進策だどうだとか、キャンペーンでだとかいった諸々の売上アップの仕掛けや考え方ってのはビッグネームな暖簾やブランド名に勝てないって事が実際には非常に多いのが現実だと思います。
しかしながら私の知る限り各種営業とか経営セミナーとかの類いでね暖簾とか会社の看板を強くするみたいな考え方が少々希薄になっているような気がするんですよね。
だからといっちゃなんですが有名百貨店が思わぬ商品を仕入れていたり、暖簾の力を分かっていてその力を利用して販売に力を入れる事は一生懸命でも暖簾の信用を守ることにはいまいち熱意が感じられないなんて事が見られるような気が致します。
そういえば有名ブランドを持っている企業が経営不振に陥って更に大きな企業に買収されて、そのお陰でブランドイメージが向上して前にもまして市場からの信用が高くなって売上が伸びて万事めでたしみたいな例を知らないのですよ。
今でも家電の世界ではサンヨーってブランドはかろうじて残っているようですけど、一昔前に比べましてすっかり家電売場でお目にかかる事は少なくなりましたし、やがてサンヨーってブランドは消滅しちゃうような気が致します。
まぁ世界を相手にするような家電製品の場合はブランド名を少数精鋭で世界の知名度をより高くするような戦略も必要だと思いますけど、これが地域に密着して商売をするような場合においては暖簾の営業力を軽く見てはいけないと思うのです。