安売り競争の終着点
時代や消費者の動向を敏感に察知して対応して行くことは商売の基本ですが、どうも世の中が不景気で消費者が節約志向に走っている状況になりますと、どうしても安売り競争になってしまいがちですし、大概の商売は競争相手の存在が有りますから相手が価格競争を仕掛けてきたら自社のお客を取られてはなるまいと、追随するのが世の常で最近では牛丼業界がまさにこの様相ですよね。
しかし商売をやっている方としては安売り競争は終着点が全く見えない状況で、利益率はどんどん落ちてくるし多くの場合は安売りによって需要が喚起されて売上は伸びますから従業員は、忙しくなってその割に値下げ前の粗利益を確保出きなくて、まさに消耗戦状態になってしまうのですよね。
確か過去にはハンバーガー業界でもそのような動きが有りましたが、最大手のマクドナルドが途中で勝者なき戦いに気が付いたのかいつの間にか収束致しましたが、消費者にとっては安売りによって値段が下がるのは歓迎ですけど、経営者や従業員にとっては懲り懲りでしょうね。
さて途中で消耗戦は勝者なき戦いだって事に気が付いて収束すれば良いのですが、どちらかの体力が無くなって廃業に追い込むまでの価格競争になった場合の事を考えてみようと思います。
単純に考えますと値段と品質で優っているほうが最終的に勝利をおさめるように思いますが、どちらかの体力が尽きるまでの販売競争になりますと、それ以上に資金力が有る方が勝負に勝って生き残るように思います。
もちろん日本は資本主義国家で自由競争の社会ですから、その事自体は全く問題のない普通の事だと思いますが、まだ歴史の浅い業界で資金力の乏しい中小企業ばかりの業界に、あとから大資本が目を付けて参入してきたと同時に価格競争を仕掛けてきたら、折角開拓してきた市場を後出しジャンケンで取られてしまうように感じてしまう人も出てくるのではないでしょうか?
具体名は出しませんが過去には数限りなく価格競争に破れて市場から撤退して行った企業が有りますし、今後も同じことが繰り返されるのではないかと思いますが、消費者の節約志向の高まりによりまして安売り競争が活発になって、淘汰される企業が沢山出てしまいますと今度は業者の寡占状態になって最後は消費者が損をするのが結末になってしまうのではないでしょうか?
安売り競争に勝利して自分たちだけ生き残った企業が考えるのは、今度は適正販売価格で利益を確保することですからね。
だったら最初から淘汰されない状況でも一緒ですよね。