商品の付加価値を上げる
出来の悪い営業コンサルタントや経済評論家ほど具体的な方法や指標を示すことなく、適当な事を言ってお茶を濁すので有りますが、売り上げを増大させようとしたり、粗利益(利益率)を上昇させようとする時に、必ずと言って良いほど出てくるのが原価率の低減と並びまして、付加価値を付けましょうってやつですよね。
かくして一部の優れた企業は素晴らしい付加価値を考え出して売り上げを伸ばして利益を得る事が出来るのですが、何年ながら多くの企業においては、いたずらに生産コストを上昇させてしまい、販売価格をアップさせてしまった結果、売り上げを逆に落としてしまったり、販売価格を据え置いたまま付加価値のアップを敢行した為に、利益率を下げてしまったりするのですよね?
これは何と言いますか、社内や責任者の資質の問題が大きいと思うのですが、開発者や技術者の自己満足をもってして付加価値を高めたって評価してしまったり、そのままのほうが客観的に見て全然良いのに、仕事をしているふりとか社内的な自己PRの為だけに下らない思いつきの付加価値の向上を提案してくるような社員を安易に評価してしまうって事を自重致しませんと、しょうもない自己満足の付加価値を商品につけて、市場に送り出してしまう事例が減らないでしょうね?
まあバブル経済真っ盛りの頃は、車でもパソコンでもその手の似非高付加価値商品が溢れていたので有りまして、車には意味のない掃除のしにくい豪華な内装が施されて、耳障りなだけの音声による各種案内(ガソリンが残り少ないとかシートベルトをしろとかうるさいのです)とか、パソコンも使いもしないソフトを山ほど詰め込んで値段をつり上げた商品が販売されていたのでありまして、確かに景気が上向きで文字通りバブルの頃には、形はどうあれ付加を付けてより高い値段で販売する事が企業の利益に貢献してきたのだと思いますが、景気の伸びが見込めないとか、景気が後退する局面で同じ事を考えていたら大失敗しますからね。
ですので私が思うに、付加価値を付けるってのはあくまで手段であって目的ではないって事を肝に銘じる必要が有るのですよ。
特にね、出来の悪い営業コンサルタントの先生の常套句みたいな場合には、冷静に考えてそのままが良い場合は無理して付加価値を付ける必要は無いと思うのですよね。
特に大衆車とかの場合は安く買えて安全に低燃費で移動できる事が最大の目的でありまして、妙なとってつけたような付加価値のお陰で、その目的が阻害されるようであれば、本末転倒だと思うのですよね。