適正価格について考える

経営コンサルタントの先生がよく言う言葉かどうかわかりませんが、売上げが伸びない時期には利益率をしっかり確保しないと会社は倒産してしまうのだそうで、確かに売れないからと行って採算を度外視した安売り競争に自ら突入してしまって、大赤字を出してしまった企業は山のように有ると思いますし、そのそも売上げを上げるってのは手段なのでありまして目的は利益を確保するって事ですからね。

ただ経営者としては売れなくなると値下げしてみようとか、販促費を投入してキャンペーンを打ってみようとか、在庫として倉庫や店頭に並べておくよりも安くても現金化してキャッシュを手元に確保したいとか思って適正価格を無視してコスト割れでも売上げ確保に走ってしまう気持ちも分からなくは無いのですけどね。

まぁ利益の確保出来ない商品や顧客を切り捨てて、人員も整理してしまって規模を縮小すれば会社を存続できる利益を確保出来る目算があっても、拡張よりも縮小や撤退のほうが数段難しいですし逆に環境に合わせて会社を柔軟に変化させることが出来る経営者であれば、苦境には陥らないのかもしれませんけどね。

で肝心の適正価格の算出なのですが、人件費とか材料費とか設備にかかるコストですとかそれらを最低限吸収できる金額が原価って事になりますが、徹底的なコストダウンは当然行うと致しまして、原価に対して最低でも10%は利益を上乗せできませんと商売として成り立たないのではないでしょうかね?

それと思うに私も同類なのですが、原価をキチンと計算している中小企業ってのは少ないように感じるので有りまして、基本的に材料費とか仕入れ原価をみて販売価格から差し引いて粗利益が幾ら上がるって事しか考えてない場合が多いのではないでしょうか?

もちろんそれで企業として充分な利益が確保出来ていれば無問題なのでしょうけど、売上げが思うように上がらない場合にはちゃんと原価を考えて適正価格で販売して利益を確保しませんと、どんどん会社は傾いてしまうのですよね。

追伸
円高の影響も有るのだと思いますが、食料品に衣料品にマンションなどの不動産関連に至るまでデフレをしっかり認識できるほど物の値段が下がって居るのを実感できる今日この頃ですが、あっちこっちの業界で消耗戦を展開していて、人件費の確保とかを考えると一握りの勝者と大多数の敗者しか生み出さないようなタタカイの真っ最中のような気がしてならないのです。