イノベーションと経済成長

やたらと横文字を多用する人は信用できない気がするのですが、政治家にもやたらとこの手の人が増えているような気がいたします。

企業の成長にはイノベーションが必要だなんて、わかったような分からないような具体性の無いイメージで語られても、じゃあ具体的にはどうなるの?って問いに答えている人をあまり見た事がありません。

イノベーションとは新しい考え方や行動とか革新的なって感じが意味のようですけど、時にはそんなグレートリセットみたいな考えが成功する場合もあるかもしれませんけど、過去を振り返りますと経営の多角化に失敗して倒産しましただとか、社長が変わって新しい経営戦略に取り組んだ結果、会社経営が傾いたなんて話はそれこそ山のようにあると思いませんか?

まぁイノベーションがなんて単語を多用する人は社会構造がグローバル化して環境変化のスピードが昔とは違うとか言いまして、完全に否定はしていないでしょうけど昔ながらの経営手法ややり方では衰退していくみたいな固定観念にとらわれている人が多いような気がいたします。

そーゆー人に言わせると企業が衰退するのも倒産するのも全て時代の変化についていけなかったからで、イノベーションが不足していたのが全ての原因って事になるのでしょうか?

もちろんね、改善や進化はどんな企業にも国家にも必要なのですが、改革とか革新的とか言葉のイメージだけでそれらが全て善だとは限りませんし、やっぱりね長年の経験とか蓄積だとかそーゆー頭で考えても作り出せないし、長年の歳月を必要とする資質とか資産ってのを否定するような感じにとらえて、訳のわからない方向に全力疾走しちゃう人って結構多いのではないでしょうか?

で視界を今の日本国に向けてみますと、農業改革を行って零細農家のの経営する農地の集約化を行いまして、大規模農業に進んでいきましょうだとか、電力の自由化で発送電分離だとか、言うに及んで経済特区を作って外資を呼び込みましょうとか、極め付きがTPPに参加して経済成長を目指しましょうとか、中身を確認いたしますと頭を抱えちゃうような事が進んでいるのが現状ではないでしょうか?

古来よりの農耕民族である国で大規模農業を推進して工業製品化する食料ってのも私は嫌ですし、電力ってのは国の基幹であるインフラですから民間企業に委ねるのは問題が大きいと確信していますし、経済特区なんてものを作ってまで外資を呼び込んで所得を海外に送り出すメリットが何にもないと思いますし、TPPなんてものは亡国への一本道としか思えませんからね。

改革は良い事でイノベーションが必要だなんて固定観念には困ったものだと感じます。