値上げ戦略と値下げ戦略

アベノミクスの指導によって・・かどうかは不明ですが価格戦略の修正を図る企業が話題に出てきていますね。

私に言わせるともっとも単純かつ影響効果が出やすい販売促進策は値下げ戦法なのですが、逆に本日のニュースでは日本マクドナルドが主力商品の値上げを発表して先日は同じファーストフード業界の牛丼の吉野家が値下げを発表しましたね。

日本マクドナルドの場合は円高による輸入原材料の値上がりにより上がったコストをカバーするための消極的と言いますか他動的な要因で値上げに踏み切るわけですが、同じように主力商品のメイン食材である牛肉を輸入に頼る牛丼チェーン店は値下げに踏み切るのでありまして、こちらは逆張りなんだか積極的な価格戦略ともいえますし、輸入原材料が値上がってさらにこれから穏やかなインフレ(リフレーション)が進む中での製品価格の値下げはかなり思い切った玉砕戦法のようにも思えます。

ご存じのとおり販売促進や集客において値下げってのは誰でも考えられるやりかたで、それによって集客力をアップしてお客を増やして客単価の低下を客数で補おうとしたり、または値下げ商品は集客商品として客足をこっちに呼び込むために活用して、収益の確保は別の収益商品(例えばサイドメニューとかドリンクとか)で利益を確保する事が考えられます。

ただしこのどちらも思ったほどの効果が望めなかった場合は、客単価が落ちて荒利率が低下して客数は変わらないのですからもう目も当てられない悲惨な状況が待ち受けているわけですし、目論見どおりに客数が伸びたとしても受け入れ側の人員が不足してサービスの質が低下してしまって、お客の評判が落ちてしまうリスクも隠れています。

逆に値上げする場合ですと実はこちらのほうがリスクが低いような気がします。

商品の販売価格を上げるのですから普通に考えれば客単価は確実にアップいたしますし、客数が多少落ちるレベルであれば客単価と粗利がアップしていますからその分を補えますし、場合によっては客数が少なくなった分だけ店員のお客に対するサービスの質が向上して評判がよくなるかもしれません。

それにね、なによりも値上げして状況がよろしくなければ元に戻すって事がいったんあげてから下げるほうがやりやすい気がするのですよ。

そんな諸々の要因やメリットやデメリットを考えてみますと販売促進策としての値下げは簡単に考えられるけど、けっこうリスクが大きかったりするのではないでしょうかね?

そーいえば私の経営する会社は値上げした事はありますけど値下げとかキャンペーンの類はやった事がないと思います。