現金(お金)の問題と労働分配率と九一金

基本的にはお金が幾ら有っても幸福かどうかは別の次元の話ですけど、最低限の生活を維持するにはやっぱりお金は必要なので有りまして、明るい生活の必需品は現金だなんて事は良く言ったものだと思いますが、あるところには随分と有って更に流れ込んでくるけれど無い処は幾ら探しても全然お金が無くて、更に出て行くって性格を持っているようですね。

人が労働するのは生きがいとか生きてる証だとか社会の中での自分の存在意義そのものだとか色々と有りますが、やっぱり最大の目的は労働の対価として現金収入を得ることですよね?

ところで九一金って言葉を聞いたことが有るでしょうか?

私も詳しくは知らないのですが、なんでも昔の漁業の現場における漁業主と雇われて漁業に出る漁師さんの間で決められていた、通常の労賃以外に支給される漁獲高に対して支給された報奨金の取り決めなのだそうで、按分の割合はさておきまして事前にはっきり労働分配率を決めている事は賞賛しても良いと思います。

もちろん大概の会社ではその役割をボーナスの支給によって行っているわけですけど、私の知る限りでは会社が赤字の時は大幅カットですとか場合によっては支給無しになるわりに、相当会社が儲かった時でも前年対比でせいぜい10%の増額が良いところで、実際の労働分配率はブラックボックスになっていて、基本的には社長のさじ加減ひとつなんて場合が少なくないのでは無いでしょうか?

まぁそうでもないと新卒者の初任給はどこの企業に入っても余りか変わらないとかいった事も無くなってしまうでしょうし、企業間の労働者の所得格差が大きくなってしまうと思いますが、労働分配率をはっきりさせて、労働者のモチベーションをアップさせるって手法はもっと日本の企業が取り入れても良いような気が致します。

まあ本人の能力以外の部分も有りますし、色々と問題も有るのでしょうがどうも何億円も報酬を取る大企業の世襲制によって社長に就任した二代目社長や三代目社長が何億円もの報酬をもらう反面、それをささえる労働者は低賃金の使い捨て状態なんて事が最近は随分と目につくので有りまして、どうも日本の企業の元気が無いのは末端の従業員のモチベーションの上がらないのが原因で、その一端が不透明な労働分配率にあるような気が致します。

折角日本には古くから九一金ってとってもシンプルで分かりやすい利益分配する仕組みが有ったのですから、もっと透明性を高めても良いような気がしますが、どうも株主の利益のほうが最優先にされてしまう感じですよね。