株式公開のデメリット

私がその昔、サラリーマンだったころに勤めていた会社が株式公開(上場)する瞬間に在籍していたって貴重な体験をしたのですが、今にして思えば資金(調達)的なメリットと知名度の向上以外に長期的に見ればデメリットのほうが大きいような気がするのですよね。

今回このコラムを書きだしたのはあの非公開で有名なサントリーが子会社にしろ株式公開に踏み切ったってニュースを目にした事がきっかけです。

そもそも株主なんてのは確かに自らの資金を提供しているわけですから発言力を持つのは当然なんですけど、彼らの多くは投資した資金よりどれだけ多くの金を稼ぐかしか頭に無いわけですし、気が変われば株を売却してハイそれまでよなんですから目先の利益にとらわれた考え方になってしまうんですよね。

この株主ってのは基本的に自分の意思で株を売却して株主の座をいつでも去る事が出来るってのは儲かると思えば簡単にやってしまいますが、基本的にそこで働く従業員ってのは会社を自分の意思で退職しても多少の退職金が有るにせよ、目先の利益で退職する人は皆無なのでありまして、生活のために仕事に打ち込んでいるわけです。

でね会社は誰のもの?なる話題になると決まって株主の物なんて結論に誘導されちゃったりする場合がありますけど、目先の利益のために株主の座を手放しちゃうような連中(もちろん全てでは有りませんが投資家なる投資だけでくっている輩のほとんどはそうでしょう)と自らの生活のために毎日働いている労働者と会社に占める重きはやっぱり従業員>株主ってのが心情的な感じではないでしょうか?

とはいっても日本は資本主義経済にて経済を運営していますからやっぱり株主の発言力で会社の方向が左右されてしまうのですよね。

ですから会社の10年後とか遠い将来を見据えて事業を展開しようと従業員が考えて提案しても株主がノーと言えば出来なくなってしまうんですよね?

具体的に・・といっても具体的じゃないかもしれませんが有る商品を新たに開発しようとした場合にとても技術力の向上とか蓄積が必要で、順調に進んだとしても10年の年月が必要でその間は利益の半分を開発費用につぎ込む必要があって、もし開発に失敗したらつぎ込んだ資金は一切回収できません、でも市場に出せば会社の利益に大きく貢献する・・こんな場合に株主はどんな反応をするのでしょうかね?

まぁ株主としては今後10年間の営業利益が半減すれば株主に対する配当金も当然ですけど連動して半減しますし、経常利益が減少すれば当然ですけど株価は下降線をたどりますので、やっぱり株主は強硬に反対するのではないでしょうかね?

だって10年後も株主のままでいる可能性は分からないですからね?

他にもあげれば色々ありますけど、やっぱり株式公開ってのはデメリットがメリット以上に大きいと思うんですよね。