管理職と部下の育成

最近になって少し目立ってきたのが一度昇進して課長とか部長になって自分のマネジメント能力に限界を感じて管理職から元のプレイヤーに戻りたい人が増えてきているとの事です。

私は営業職出身ですので営業マンの世界の事を中心にこの管理職拒否症について書いてみたいと思いますが、この手の話は専門職とか技術系の労働では昔から普通に良くある話でプログラミングが好きでこの世界に入ったプログラマーが現場を離れて管理専門の職はやりたくないなんてのは良く分かるような話ではあります。

さて話を営業職の方面に進めていきますが、営業マンが戦力にならない新人から会社の売り上げに貢献できるようになる戦力に成長する過程には経験とか上司である管理者の指導育成とかの要素があるわけですけど、実力のある営業マンが管理職になりたがらなくなると組織の維持運営に少々問題が発生しそうですね。

まぁ証券会社ですとか一部の販売系の企業なんかでは会社内の進みたい道として専門職コースと総合職コースみたいな感じで、専門職を選択した人は部下を持つことなく専門職として仕事を定年まで続けて、総合職を選んだ人はやがて管理職になって部下の指導育成をして会社に貢献するようになるって感じですね。

このような形態と言いますか選択制が取れれば労働者にとって望ましい事ですが、これにはある程度の規模が必要になる話で、社員数が100人以下の中小企業なんかではやりたくても物理的にできないなんて事になるのではないでしょうか?

私自身の話を致しますと私が企業の営業社員として働き出して主任に昇格して最後は営業所長になってそこで退職して独立したわけですけど、その過程において営業マンとしての指導を受けながら少子の背中を見ながら管理職と言いますか人の上に立つ心構えですとか、必要な事を学んで成長していったと感じるのですよ。

つまり営業マンってのは当然ですけど取り扱う商材を売るために顧客を開拓したり、売り込みに走ったり時にはクレーム処理なんかに汗を流したりして会社に貢献していくわけですけど、上司だって年をとっていきますし突然ライバル他社から引き抜きをされて会社を去っていくかもしれないわけで、後に続いて管理職になる社員が必要なんですよね。

ですから・・・というより言いたい事を書いてしまおうと思いますが、その社員が順次昇進していくとかピラミッド型の構造を維持するだとか企業が継続的に安定して営業を続けるために必要な事柄が、組織のフラット化だとか行き過ぎた能力主義ってのが壊していくと思うのですよ。

もしかしたら話がずれるかもしれないですが、組織をフラット化して行き過ぎた過度の能力主義なんて取り入れたら、上司としては部下はもう管理育成する存在じゃ無くなって自分の立場を危うくするかもしれないライバルですから、指導育成なんて一生懸命やる気なんて無くなりますからね。

まぁそんなのが原因かどうかは不明ですけど管理職になりたくない人が増えているってのは、会社の組織運営の形態が変化してきた事にも要因があるように思うのです。